日本代表MF香川真司がオランダ•ドルトムントからスペイン二部レアル•サラゴサに移籍して半月。10日も経たずに8月18日のテネリフェ戦でデビュー。2━0の勝利に貢献。夢のラ•リーガ初戦を白星で飾った。
更に8月25日に行われた第2戦、アウェーのポンフェラディーナ戦にも先発出場。後半14分に念願のラ•リーガ初ゴールを決めた。
ドルトムントからの移籍を決めた香川真司にヨーロッパ各一部リーグのオファーが舞い込んだが、それには目もくれずに以前から憧れていたラ•リーガの道を選んだ香川。年俸の半減も二部という環境も気にせず夢を追い求めた香川の近況を届ける。
● 入団からデビュー戦まで
ドルトムントで不遇を囲い今年1月にはトルコリーグ•ベシクタシュへの期限付き移籍も経験した香川真司。今季、ドルトムントからの移籍を希望した際には、ベシクタシュからの完全移籍の他にヨーロッパ各地の一部リーグからもオファーが届いた。
しかし、香川はかねてから夢と公言していたスペインを選んだ。香川程の実績のある選手が年俸も半減した二部のサラゴサ移籍を決めた時は、ヨーロッパ中に衝撃が走った。「金では得られないものがある。サラゴサが二部リーグに所属している事も気にしていない」「スペインでプレーして成功するのが夢だった。自分の力でサラゴサを一部リーグに再昇格させる」と、熱く語った香川。
そして、それはファンにとっても驚きだった。まさか、この数年間二部リーグにくすぶっているチームに香川程のネームバリューのある選手が移籍してくるとは考えてもいなかった。7月13日に行われた入団セレモニーに7000人ものファンが駆け付けた事が期待の大きさを物語っている。
「彼のような格の選手がここに来たのはものすごくポジティブな事。彼は既にチームメイトから尊敬され、信頼を勝ち取っている」「全員にとってエキサイティングな補強だよ。みんなワクワクしている。彼が大きな助けになる事を確信しているからね」と、選手達も驚きと期待を隠さない。
更に、指揮官であるビクトル•フェルナンデス監督も、「フィールド中央の攻撃的な位置での起用になる。そのポジションでのイマジネーションは素晴らしいものがある。決定的かつ創造性溢れるラストパスを出してくれるだろう」と、香川のスキルを褒めちぎった。
● 念願のラ•リーガ初ゴール!
そして迎えた8月18日。サラゴサはアウェーでテネリフェと対戦した。香川は加入して初めての公式戦でトップ下の位置で先発。前半3分スルーパスを通したがFWラファエル•ドゥワメナが左足からのシュートを外す。前半16分には、Fkを獲得し香川が曲げながら落とすキックでゴール前を強襲。後半もゴール前に迫ったり意表をついたループシュートを放つ等、積極的に動いて見せ場を作った。
結局、香川は後半35分にMFアレックス•ブランコと交代するまでゲームを支配し、2━0の今季初勝利に貢献した。
そして8月25日の第2戦。敵地でポンフェラディーナと対戦したサラゴサの先発メンバーには、当然のようにトップ下に起用された香川の姿があった。昇格組の相手に対して苦戦を強いられたサラゴサだが、その中で香川は前半から出色のパフォーマンスで見せ場を作る。
0━0で迎えた後半14分。右サイドからのクロスをエリア内でコントロールし、右足からのシュート。相手DFにブロックされたこぼれ球に機敏に反応して、今度は左足でねじ込んだ。2戦目にしてラ•リーガ初ゴールを決めた。お馴染みの膝で芝を滑って仰向けに倒れるパフォーマンスに、チームメイトが次々に駆け寄って重なり合って祝福した。
後半26分に仲間に勝利を託してベンチに下がった香川。試合は後半41分にポンフェラディーナのFWパブロ•バルカルセの同点ゴールで追い付かれ引き分けに終わり、開幕2連勝はならなかったが勝ち点1を積み重ねた。
スペインのメディアは「ラストパスやボールキープに何度も才能のきらめきを見せた」「積極的にラインの間に顔を出し、プレーの組み立てのために下がって素晴らしいクォリティーを見せた」と絶賛し、チーム最高となる採点「8」を付けた。
クラブの公式ツイッター等にはファンの熱烈なコメントが寄せられた。
「これがシンジ•カガワか」「キター!オリベル•アトム(スペイン版キャプテン翼の主人公)だ!」「最高に力強いゴールだった。これを待っていた。」
更なる高みを目指して挑んだスペインリーグ。2戦目で目に見える結果を残し、チームメイトからの信頼を得、サポーターからも絶大な賛辞を受ける香川真司。ここから反撃の狼煙を上げて再び日本に世界に「香川真司」の名を轟かす事が出来るのか、「シンジ」から目が離せない。
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