ドイツ・インツェルで開かれているスピードスケートの世界距離別選手権500メートルで、小平奈緒(32)がついに敗れて37連勝でストップした。
小平は茅野市立北部中学校時に全日本ジュニアで史上初の中学生王者になりました。
その後、伊那西高に進みましたがスケート部が無かったので同好会として活動しながらインターハイで500メートル、1000メートルの2冠達成しました。
その後、スポーツに関係なく信州大学に進学し、1年で日本学生氷上競技選手権大会で500、1000メートルの2冠に輝きます。
2年生では全日本スピードスケート距離別選手権大会1000メートル優勝。
4年生には全日本スピードスケート距離別選手権1500メートル優勝。
2009年、大学卒業後現在の所属先である相沢病院に採用されて現在までサポートされています。
2010年初の冬季五輪出場のバンクーバーオリンピックで、団体パシュート銀メダル。1000メートル、1500メートル5位入賞。
2014年ソチオリンピックでは500メートルで5位入賞。
そして2018年平昌オリンピックではスピードスケート女子初の500メートル金メダルを獲得しました。
更に1000メートルは銀メダル。1500メートルで6位入賞と日本選手団主将としての重責を果たしました。
また、500メートルは2016年10月22日の全日本距離別選手権大会から無敗を誇り、国内外37連勝を続けていました。
女王小平の連勝を止めたのはバネッサ・ヘルツォーク(オーストリア)。
「宝物になる。小平選手が速いので金メダルが欲しいというのはおこがましいと思っていた」と、感慨深げに胸の金メダルを眺めていた。
伸び盛りの23歳ヘルツォークは今季ワールドカップで小平不在の3レースは全て勝ち、残り6度は2位。
蓄えてきた力を練習拠点としているインツェルのリンクで爆発させて悲願の優勝をもぎ取った。
敗れた小平は素直に相手に拍手を送って讃え、指定席の表彰台の中央を譲りいつもの淡々とした表情で、「勝ち続けてきたのは当たり前ではなかった。そこにずっといられたのは努力を重ねてきたということ」と、しみじみと話した。
勝ち負けより自分を磨く事に集中して成長してきた小平。
「周りの雑音から解き放たれました。またフレッシュな気分でチャレンジしていきたい」と、再び前を向いて速さを追求していく。
そして、その言葉通りに翌日の世界記録は持つものの500メートルほどの得意種目ではない1000メートルで、1分14秒44のタイムで同僚の高木美帆を抑えて3位に入った。
「覚悟を持って攻める事が出来ました。メンタル的には難しい状況でしたが腹をくくれました。失うものは何もないという気持ちでした」と、語りました。
38連勝はならなかったものの、呪縛から解き放たれた小平はフレッシュな気持ちで更なる高みを目指して前進を続けていく。