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東京五輪体操女子銅メダリスト村上茉愛、世界選手権有終の金❗

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愛らしいくるっとした瞳で音楽に合わせて床をダイナミックに飛んで跳ねて観衆を魅了していた村上茉愛。世界一を争う男子体操陣に対して、長らく冬の時代が続いていた日本の女子体操界その中でライバルの寺本明日香と共に切磋琢磨して、女子体操界を引っ張りレベルを上げてきた。

どんなスポーツにも怪我は付き物だが、体操競技はその中でも最も怪我、故障になるリスクが高い競技の一つだろう。当然、村上も何度も怪我に悩まされて競技生活の危機も経験してきた。その中で競技生活の集大成とも言える東京オリンピックと、福岡県での世界選手権で結果を出して引退した村上。今後も形を変えて体操に関わっての活躍を期待したい。

村上茉愛のこれまで

1996年神奈川県相模原市に生まれた村上茉愛。体操を始めたきっかけは3歳時の母の勧め。小学生時代からはバルセロナやソウル五輪で活躍したメダリスト池谷幸雄氏が主宰する体操倶楽部に所属。そのユニークな指導方法の下、体操競技でのプレッシャーに慣れるために、自動劇団に所属しドラマ出演もしている

小学生から数々のジュニア競技会に出場していたが、武蔵野東中学校2年の2010年全日本選手権の種目別床運動で優勝し、一躍脚光を浴びた。明星高校に進学した2012年には床運動で2度目の全日本選手権を制覇し、代名詞となったH難度シリバスで世界選手権代表に選出され、種目別床運動で4位入賞を果たした

その後、女子体操界のエースとして八面六臂の活躍を見せ、2016年リオ五輪では団体4位入賞に貢献。更に、2017年世界選手権では種目別床運動で1954年種目別平均台の田中敬子以来、63年ぶりの種目別金メダルを獲得。更に、翌18年ドーハ世界選手権では個人総合2位。国内でも全日本選手権個人総合3連覇など、絶対的女王として君臨。

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村上茉愛の2021

リオ五輪後の充実ぶりで2020東京オリンピックの絶対的エースとして、女子体操界の牽引とメダル獲得への期待が高まった村上茉愛に試練が訪れる。2019年NHK杯で持病ともいえる腰痛悪化で棄権。「記憶から消したいというか……。棄権して試合に出られないって、こんなにきつい事なんだな」。体は限界に達していて復調には時間がかかった。

しかし、3歳から始めた『体操の申し子』にとって幸いだったのは、それが東京オリンピックの前年だった事。その上、一年間延期になった事が村上の偉業の後押しになる。2020年全日本選手権個人総合優勝で復活を印象付け、オリンピック開催の今年の第60回NHK杯優勝で、唯一無二のエースとして一年遅れの東京オリンピックに出陣

自身最後のオリンピックと決めて臨んだ東京で、女子団体で5位。個人総合でもオリンピック歴代最高となる5位入賞を果たしたが、メダルには届かない。最後の演技は得意の床運動。冒頭で代名詞『シリバス』を決めて、その後も安定感のある演技。最後の着地も決めたが、得点は意外に伸びない。が、後続の選手の得点も伸びず銅メダルが確定

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村上茉愛のこれから

東京オリンピックで女子個人種目としては日本初となるメダリストとなり、大きな瞳に大粒の涙と、それ以上に輝く笑みが印象的だった村上が集大成として選んだのは北九州の世界選手権。種目別平均台で銅メダルを獲得した村上。万感の想いを込めて臨んだ床運動。代名詞シリバスも決めて最後の着地でやや乱れたが僅差で優勝。会見で引退表面し、満面の笑みを浮かべた

「今日で引退します。最後の最後で金メダルという形で感動を届けられたと思っています」と語った村上茉愛。今後は後進の指導にあたるようだが、同じ床運動を得意とした男子オリンピック金メダリスト白井健三氏との噂も聞こえてくる。その噂が事実なら是非とも実って欲しい。将来『ひねり王子』『ゴムまり娘』の二世が誕生したら……と想像して筆を置く。

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