2月19日行われた女子テニス、ドバイ・デューティフリー・テニス選手権のシングルス2回戦。
世界ランキング1位で第1シードの大坂なおみが今大会初戦として登場。
先日行われた全豪オープンで四大タイトル2連勝して世界ランキング1位になって初めての試合として注目を集めた。
しかし、世界ランキング67位のK・ムラデノヴィック(フランス)に3ー6、3ー6のストレートで敗れ、世界女王としての初戦を白星で飾れなかった。
内容も悪く、ダフルフォルト5本、7度のブレイクをムラデノヴィックに許す等、大坂らしい力強さもテクニックもみられず1時間6分のストレートで散る完敗だった。
「このところ練習不足で、練習中もリズムが良くなかった」
「全豪オープンから1ヶ月も経っていない。負けた後にいいプレイが出来ると思う。次の大会を楽しみにしている」
「もちろん、負ける事が楽しいと思う人はいない。でも、負けた時は勝った時より学ぶ事が多い」
とコメントして、必死に前向きになろうとしているが、本人が練習不足というテクニック面だけでなく、懸念されていたメンタル面の弱さもさらけ出していたのが気になる。
今大会、大坂が注目されたのはもちろん世界ランキング1位になって最初の試合という事もあるが、それ以上にコーチを勤めていたサーシャ・バイン氏と訣別したからだ。
バインはこれまでコーチ経験はないがS・ウィリアムズの練習相手を勤めていた事で知られている。
そのバインはもともと精神面に不安があった大坂のメンタル面のコーチとして大きな影響力を示し、昨年の全米オープンでの四大タイトル初戴冠につながった事はよく知られている。
そのバインとの不仲説は全豪オープン時から囁かれていた。
大坂とバインの練習時間が少なくなったとか、大坂がバインと目を合わせようとしない……と、まことしやかに伝えられていた。
案の定、全豪オープン制覇したにもかかわらず間を置く事なく、コーチ辞任が発表されている。
その際、「もうサーシャと仕事する事はない」との発言を聞いた時、前述の噂が本当だったと分かった。
「前向きな気持ちの持ち主、否定的な事を言う人は望まない」
「面と向かって話す人。陰で何かを言うのではなく、直接自分に言ってくれる人がいい」
等の大坂のコメントは、バインがそんな条件に合致していない……、という事を如実に物語るものである。
二人の間に何があったのかは知る由もないが、大坂の最も重要なメンタル面の課題をケアしてくれる信頼出来るコーチが現れない限り、大坂の低迷が続くのではないだろうか。
テニス界、とりわけ女子テニスのコーチは頻繁に代わる事が知られているが、今回の大坂の場合は四大タイトル連勝後だけに色々憶測を呼んで、それが大坂に影響して自分のテニスが出来なかったとも言える。
次にどんなコーチが決まるか分からないが、本当の女王ならそんなプレッシャーをはね除けて自分の実力で好成績を挙げる事が求められる。
次の大会での大坂の成績次第ではせっかく手にした女王の座から降りなければならない場合もある。
ここからが女王としての真価が問われる事になる大坂の次の試合に注目したい。