今や、すっかり正月の風物詩となった感がある【東京箱根間往復大学駅伝競走】。野球をはじめとする冬季オフの競技に対して、冬場はマラソン、駅伝の花盛り。中でも最も注目度が高いのは箱根駅伝。東京での大掛かりな駅伝は他にないのと、正月のお屠蘇気分で応援に駆け付けたり、テレビ観戦に好都合というのが人気の原因か。
しかし、中継するテレビ局の宣伝に乗せられた感じで騒ぎ過ぎの感がある。そもそも、箱根駅伝は関東学連加盟校しか参加出来ないローカル大会に過ぎない。全国の大学が参加出来、大学三大駅伝と呼ばれる『出雲駅伝』『全日本大学駅伝』から見ると格下と言えなくもない。更なる発展を考えるなら他の駅伝と同様に全国大会にすべきであろう。
箱根駅伝の概要
箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)は1920年から毎年1月2日から3日にかけて行われている。第二次世界大戦の間に中止になったが、今年で98回を迎える伝統の駅伝。ただ、出場出来るのは関東学生陸上競技連盟の加盟校に限られている。
出場校数は色々変遷があったが、現在は前年総合順位10位までのシード校と予選会を通過した10校。更に、関東学生連合チームを加えた21校。なお、関東学生連合チームはオープン参加になっていて、優勝やシード権争いには加わらない。
予選会は毎年10月頃に行われて、参加校の増加によって方法は変遷してきたが、現在は立川市内。予選会前日までに公認記録10000m34分以内の記録を有する各校12人以内の選手が参加出来る。その内から各校上位10名の合計タイムの少ない10校が予選通過になる。
第98回出場校
第98回箱根駅伝出場校
【シード校】
駒沢大学 前回優勝校
創価大学 前回2位
東洋大学 前回3位
青山学院大学 前回4位
東海大学 前回5位
早稲田大学 前回6位
順天堂大学 前回7位
帝京大学 前回8位
國學院大學 前回9位
東京国際大学 前回10位
【予選通過校】
明治大学
中央大学
日本体育大学
山梨学院大学
神奈川大学
法政大学
中央学院大学
駿河台大学
専修大学
国士舘大学
第98回優勝は
本命には今大会参加中、10000m日本人最速の27分23秒44と各校のエース級よりも30秒以上速い圧巻のタイムを持つ田沢廉を擁する駒沢大学。更に、27分台の鈴木芽吹、28分02秒台の唐沢拓海の2年生コンビも力を付けてきた。駅伝はタイムだけで決まる訳ではないが、優勝して更に充実した感があり連覇の可能性は高いとみる。
駒沢大学と一騎討ちに持ち込めるとしたら、昨年まさかの4位に終わった青山学院大学。抜けた存在の選手はいないが唯一、エントリー選手16人全てが28分台と層の厚さは随一。28分10秒台の遠藤幸太郎、28分21秒台の西久保遼の3年生コンビの他に力のある1年生もいる。ここ一番で伝統の勝負強さで昨年の屈辱を晴らすか。
三番手には2007年以来15年ぶり12回目の優勝を目指す順天堂大学。28分06秒26の伊予田達弥、28分19秒01の野村優作の3年生を軸に28分台11人を揃えて充実。全日本大学駅伝では5位に入賞と力を見せている。何より3000m障害日本記録保持者で、東京オリンピック日本人初の7位入賞の三浦龍司の存在が大きい。
その他、前回2位で10000m27分35秒29を持つケニア留学生のムルクの他に28分台8人の創価大学。今回抜けた存在はいないが、箱根駅伝の実績随一の東洋大学。中谷雄飛と太田直希の4年生27分コンビの早稲田大学。そして、予選会断トツのトップで28分台13人が揃う明治大学等もシード権争いの上位を狙っている。