2023年世界陸上ブダペスト大会。時差の関係でライブではなかなか観られない人も多かったでしょうが、週末だけでもとテレビに釘付けになった人もいたでしょう。
女子やり投げの北口榛花の金メダルと、男子競歩35キロメートルの川野将虎の銅メダルには、大会終盤の待望の快挙だっただけにほっとした人も多かったはず。
しかし、期待されたトラック種目は入賞者は多かったものの、メダリストとの差は大きく来年のパリ五輪には期待以上に不安を感じさせられた。
世界陸上入賞者一覧
男子
100メートル ⑥サニブラウン
400メートルリレー ⑤泉谷駿介
3000メートル障害 ⑥三浦龍司
走り高跳び ⑧赤松諒一
35キロ競歩 ③川野将虎
〝 〝 ⑥野田明宏
女子
5000メートル ⑧田中希実
10000メートル ⑦広中瑠梨佳
やり投げ ①北口榛花
35キロ競歩 ⑦園田世玲奈
パリ五輪への期待
日本人は元来、欧米諸国やアフリカ勢に比べ体格やポテンシャル面で劣るとされてきた。これまでのオリンピックや世界選手権などで日本が活躍するのは器用さが要求される競技や、体重別の種目が多い事からも一目瞭然。
陸上競技においても短距離走や、マラソン等の長距離走では諸外国に太刀打ちできない。その点、障害競走や競歩、跳躍、投擲などは日本人が得意とする繊細なテクニックが要求される種目。
今回の世界陸上入賞者の中でも、スタート直後に両足がつりながら5位と健闘した110m障害の泉谷駿介、東京五輪と今大会連続入賞の3000m障害の三浦龍司。この若き障害コンビは来年のパリ五輪でメダル争いに期待出来そう。
また、金メダルを獲得した女子やり投げの北口榛花は現在世界一と称されている。更に、今回銅メダルの川野将虎の競歩は、その他にも有力選手がいて複数のメダリスト誕生の可能性もある。
パリ五輪への不安
一方、障害以外のトラック種目は短距離走、長距離走を問わず世界との差は大きい。陸上競技などの入賞は8位以内とされているが、メダリストと下位入賞者との差は着順以上の実力差があるように思われる。
例えば、男子100mで2大会連続決勝進出のサニブラウン・ハキーム。6位入賞は実力者の証だが、今やメダル圏内は9秒8台の領域。今大会での9秒97も評価出来るが、9秒台前半の持ちタイムもない状況ではメダルには遠い。
また、マラソンをはじめとする長距離走もアフリカ勢の圧倒的ポテンシャルに敵いそうもないのは明らか。男子マラソン世界記録は2時間1分前半のレベル。日本記録も5分を切るようにはなったが力の差は明らか。
更には、今大会飛躍が期待された男子走り幅跳びや走り高跳びの跳躍種目。男子走り高跳びで赤松諒一が唯一の入賞。それ以上に期待された男子走り幅跳びは入賞者無しの惨敗。
厳しい意見が多かったかもしれないが、これが現在の日本陸上陣の立ち位置。パリ五輪まではあと一年。正直言って巻き返しには足りない種目もあるが、更なる代表争いの激しさでレベルアップを期待したい。
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