暮れも押し迫って駅伝の時期を迎えている。12月24日行われた全国高校駅伝、30日の全日本大学女子駅伝
そして、年が明けて元日のニューイヤー駅伝、箱根駅伝、更には都道府県駅伝,,……と、日本発祥と言われる駅伝が目白押し
今回は全国高校駅伝女子の、アフリカからの留学生が圧倒的走りを見せ付けた2校のリポート
驚異の走りで大逆転・神村学園
5年連続3位内入賞と抜群の安定感を誇る神村学園。しかし、1区13位と苦しいスタート。そこから9位、8位と徐々に順位を上げて4区の選手の激走で第4中継所で3位。
1位の仙台育英とは1分20秒差。5区5キロでのこの差は致命的とも思われた。しかし、アンカーの留学生カリバ・カロラインの猛追。2位の立命館宇治を捉えると更にギアを上げる。
「たすきを受けた時点で1分以内なら優勝出来ると思っていた」というカロライン。しかし、一流ランナーを揃えた仙台育英のアンカーを相手に1分20秒差をひっくり返すのは容易ではない。
ただ、幸運にも大差が付きながら最初から先頭が見えていたのは目標にしやすかったはず。それでも、競技場に入った時点で50メートルの差。流石に無理だろうと思われたが猛追に次ぐ猛追でゴール直前で見事に差し切った。
前半のリードむなし・仙台育英
アンカーの橘山莉乃以外は全て1、2年生という若いチームで挑んだ仙台育英。1区を2年生エース細川あおい、2区にケニア出身の留学生デイシー・ジエロップという序盤重視の布陣。
予定通りジエロップの区間トップの快走で3区への中継所を1位通過。3区、4区と立命館宇治が区間トップのタイムで追い上げるも、最終5区への中継所で30秒のリード。神村学園には1分20差とほぼ安全圏で襷を渡した。
「4区までは想定以上。優勝を確信した」と仙台育英・釜石慶太監督の序盤にリードを奪うという思い通りの展開。橘山も最終中継所で襷を受け取った時点で優勝を確信してのスタート。
道中も追われる苦しさは殆んど感じないで走れたはず。ところが、相手が悪かったという他ない、カロラインの異次元の走りでゴール直前で交わされた橘山。フィニッシュ後、トラックに額をつけて泣き崩れた。
留学生の器用を最短区間に限定
女子でカロラインの圧倒的走りでの大逆転を目の当たりにした全国高校駅伝の大会実行委員会。来年の大会から男女共に外国人留学生の器用は最短距離の3キロ区間に限ると発表。
日本のスポーツ界の場当たりで不可解な面がまた露になった感じ。外国人留学生については、1995年から出場を一人に限定。更に、2008年から男子10キロ、女子6キロの最長区間の1区での器用を禁じられている。
留学生の圧倒的な走力が結果に直結する事を懸念する声が上がっていたという。しかし、それゆえに最長区間から締め出したのではなかったのか。「留学生の活躍の場を奪うものではない」と関係者は言う。
しかし、殆んどの選手達は高校から大学、あるいは社会人と徐々に距離を伸ばしていく。3キロ限定では外国人留学生の才能を奪う事になりはしないか。強い留学生に挑んでこそ日本人選手のレベルアップに繋がるのではないのか。