
どんなスポーツでも頂点を極めるのは難しい
初めての優勝にたどり着くまでの道のりには幾多の試練が待ち受けている
更に、それを2回、3回と繰り返すのには初制覇とは違う困難があるはず
今回のスポーツア・ラ・カルトは5連覇と、初めての優勝についてのリポ
体操・全日本5連覇橋本大輝
市立船橋高校時代から日本代表として活躍していた橋本大輝。それまで体操日本のエースとして活躍していた内村航平を抑えて全日本体操個人総合で初優勝したのが2021年。絶対的エース内村との世代交代を印象付けた瞬間だった。
弱冠19歳の王者の誕生の余韻が残るまま行われた東京オリンピックでも大活躍。オリンピック史上最年少となる19歳355日での個人総合と、種目別鉄棒で金メダル獲得。王者内村の系譜を継ぐ選手として歩み始めた。
翌年からも全日本体操個人総合4連覇、NHK杯個人総合3連覇と絶対王者として君臨。が、2024年パリオリンピックでは新鋭岡慎之助に個人総合の金メダルを奪われ、まさかの6位に終わってしまう。
2歳下の岡がパリで団体、個人総合の他に種目別鉄棒の金メダルと、種目別平行棒の銅メダルと大活躍。その陰に隠れたような存在になった橋本にとって、4連覇中の全日本体操個人総合はエースを懸けた戦い。
予選トップの岡との争いは目まぐるしい展開に。4種目目の跳馬で橋本が逆転すると、得意の平行棒で再び岡が首位に立つ。天性の柔らかさが売りの岡に対して、ダイナミックな演技が持ち味の橋本。
最終種目の鉄棒で、全体トップの15.033の高得点を出した橋本が逆転優勝。パリでは不調だったが実力を見せ付けた橋本が5連覇達成。やはり実力では橋本が上。しかしか、この2人のエース争いは今後も目が離せそうにない。
女子ゴルフ佐久間朱莉初優勝
最近、続々と若手の実力選手が出てアメリカツアーでも活躍する女子ゴルフ。プロ野球やサッカーと同じで少し結果が出ると、猫も杓子も海外に参戦。ま、高額な年俸や賞金が魅力なのだろうが……。
その女子ゴルフでまた期待の若手が初優勝を果たした。大物選手の初優勝が続くKKT杯バンテリンレディス。2日目を終えてトップは7アンダーの堀琴音。そこから3打差の4アンダーまでに11人という混戦模様。
最終日1打差2位タイからスタートで念願の初優勝を狙う22歳の佐久間朱莉。昨年は最終日首位で迎えたのが3回。しかし、2位3回、3位2回と勝ち切れない。こういうケースでは初優勝して大化けするか、優勝出来ずに忘れ去られるかに明暗が分かれるもの。
調子の出ないトップ堀を尻目にアウトで4バーディーと順調なスタート。14番で単独首位に立ち、2打差でパー5の最終18番ホールへ。最後は30センチのウイニングパットを決めバンザイ。涙を流しながら同組の選手達とハグ。縁起の良い大会で初優勝の佐久間。大物への変身なるか注目。