10月26日東京都立川市で行われた第96回箱根駅伝出場校を決める予選会は、陸上自衛隊立川駐屯地~立川市街地~国営昭和記念公園の21.0975Kmに43校が参加。上位10校に与えられる来年1月2日、3日の本大会出場枠を目指して熱い戦いが繰り広げられた。
今回は今年シード権を逃した箱根駅伝の優勝回数ベスト5以内の中央大学、早稲田大学、日本大学、日本体育大学と、6位の明治大学等の名門校が大挙出場する大混戦の予選会となった。
一般市民のマラソンブームや東京オリンピックの開催、ラグビーワールドカップの日本代表の活躍で高まるスポーツ熱から、例年以上の注目を集めそうな箱根駅伝の現状と予選会のリポートをしてみる。
● 本大会より熱い予選会のドラマ
例年、1月2日、3日の両日東京千代田区大手町の読売新聞東京本社ビルと、神奈川県箱根町の芦ノ湖までの往復217.1Kmで争われる正月恒例の箱根駅伝。
参加20校にオープン参加の『関東学生連合』21チームで争われるが、その20校の内10位以内のチームはシード権を獲得して、翌年も無条件で箱根駅伝に出場出来る。
しかし、11位以降のチームは毎年10月頃行われる『箱根駅伝予選会』に出場して、10位以内に入らないと箱根駅伝には出場出来ない。毎年40校前後が参加する予選会は各チーム10~12名が出場して、チーム内の上位10名の合計タイムで出場権を争う。
40校前後という参加チームの多さや、アクシデントの可能性等を考えると箱根駅伝より狭き門とも言われている。
今年の予選会の結果は以下の通り。
1 位 東京国際大学 3年連続4度目
2 位 神奈川大学 10年連続51度目
3 位 日本体育大学 72年連続72度目
4 位 明治大学 2年連続61度目
5 位 創価大学 3年ぶり3度目
6 位 筑波大学 26年ぶり63度目
7 位 日本大学 2年連続89度目
8 位 国士舘大学 4年連続48度目
9 位 早稲田大学 44年連続89度目
10位 中央大学 3年連続93度目
今回の予選会の結果で最も注目を集めたのは26年ぶりの出場を決めた筑波大学。ほとんどが私立大学という中で練習環境や強化費等で著しく不利な国立大学で、6位での出場権獲得は驚異と言っても過言ではない。しかも、前身の『東京高等師範学校』が第1回箱根駅伝で優勝してから100年目の本大会出場はあまりにもドラマチック過ぎる。
そして、1位の東京国際大学、5位の創価大学、6位の筑波大学の後塵を拝してやきもきしながら苦戦の末出場権を獲得した7位日本大学、8位国士舘大学、9位早稲田大学。更に、93度目の中央大学は11位麗沢大学とはわずか26秒という僅差。この名門、古豪の苦戦は大学駅伝にも新しい時代の到来を告げている気がする。
● 箱根駅伝の展望
『第96回箱根駅伝』は上記の予選会突破の10校に、下記の『第95回箱根駅伝』で10位以内に入ったシード校と『関東学生連合』の21チームで行われる。
第95回箱根駅伝シード校
東海大学 7年連続47度目
青山学院大学 12年連続25度目
東洋大学 18年連続78度目
駒澤大学 54年連続54度目
帝京大学 13年連続21度目
法政大学 5年連続80度目
國學院大学 4年連続13度目
順天堂大学 9年連続61度目
拓殖大学 7年連続41度目
中央学院大学 18年連続21度目
まだ、本番の箱根駅伝までは2ヶ月あり、エントリーも決まっていない上に出雲駅伝こそ終わったものの、11月3日の『全日本大学駅伝』の結果を見なければはっきりしないが、予選会では新しい時代の到来を予感させたが、箱根駅伝ではやはりシード校勢の争いになるだろう。
出雲駅伝では國學院大学が優勝したものの、2位から5位までは『近年の4強』と言われる駒澤大学、東洋大学、東海大学、青山学院大学が占め、その差も1位の國學院大学から4位の東海大学までは20秒。5位の青山学院大学も53秒なので、この順位は全日本大学駅伝でも箱根駅伝でも変わるはずだし、本番では各チーム最強のメンバーをエントリーしてくるのでまだ予想は難しいが、やはり4強の東海大学、青山学院大学、東海大学、駒澤大学を中心に優勝争いが繰り広げられるのは間違いない。
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