昨年10月のシカゴマラソンで、同年3月の東京マラソンで14年ぶりに日本記録を更新した設楽悠太の2時間6分11秒をあっさり破って、日本人初の5分台となる2時間5分50秒を叩き出した大迫傑が今週日曜日の東京マラソンに出場する。
大迫は東京都町田市の出身で地元の中学から長距離の名門・佐久長聖高校に進み、全国高校駅伝で自ら区間賞をマークして同校の初優勝に貢献。
その後、早稲田大学に進学して箱根駅伝、出雲駅伝、全日本大学駅伝等で優勝を味わう。
更に、ユニバーシアード10000メートル優勝等華々しい活躍を見せた。
2014年に日清食品グループと所属契約するかたわら、スポーツ用品メーカーのナイキが長距離界を席巻するアフリカ勢に対抗するために立ち上げた、ナイキ・オレゴン・プロジェクトにも参加した。
その年、日本陸上競技選手権大会では10000メートルに出場したが、佐久長聖高校の先輩・佐藤悠基に及ばず2位に終わった。
その後、アジア競技大会、ニューイヤー駅伝等で活躍したが2015年に日清食品グループとの所属契約を解消してナイキ・オレゴン・プロジェクトの所属に専念する。
2016年の第100回日本陸上競技選手権大会では5000メートル、10000メートルの2冠を達成した。
2017年からマラソンに挑戦して、同年4月のボストンマラソンで2時間10分28秒の記録で、初マラソンで日本人としては瀬古利彦以来となる表彰台に上った。
更に、その年の福岡国際マラソンで2時間07分19秒で3位。
そして、2018年10月のシカゴマラソンで設楽の日本記録を破る2時間05分50秒で3位に入った。
既に、MGC・マラソングランドチャンピオンシップ出場権は獲得しているが、東京マラソン出場に踏み切った。
9月のMGC一本に絞った方が良いという声も聞かれ、色々出場の理由に憶測が広がっている。
しかし、私はむしろ出るべきだと思う。
大迫の日本記録は立派だが、マラソンのキャリアは3回だけ。しかも、全て3着で優勝の美酒をまだ味わっていない。
あくまでも東京オリンピックでメダルを狙うと公言している大迫にとって、勝つ事によって更に手応えと自信を得るので、東京マラソンも2時間04分台の選手が出場して簡単ではないが、是非優勝を目指して欲しい。
更に、速いタイムが出やすい東京マラソンに速い外国人ランナーと一緒に走るだけに、自らの日本記録を更新する可能性も出てくる。
いや、いずれ更新しない限りは東京マラソンのメダルもあり得ないと言っても過言ではない。
いずれは2時間を切る選手も現れるのではと思われる高速マラソン時代。大迫だけでなく設楽にも再び日本記録を破る快走で東京オリンピックでメダル争いをして欲しい。