
第107回全国高校野球選手権はベスト8が出揃いクライマックスへと向かっていく
広陵の暴行事件による出場辞退や、暑熱対策など話題が多かった今大会もあと7試合
準々決勝の勝敗と、優勝校を展望するリポ
京都国際ー山梨学院
2、3回戦と強敵を倒して勢いに乗るのが昨年の覇者京都国際。特に、3回戦で尽誠学園に競り勝ったのはチームにとって自信になる。左腕西村一毅の安定した投球が光るが、2番手投手の出来が鍵になりそう。打線は上下にムラはないが、主砲清水詩太に当たりが出ないのが気掛かり。
2年生エース菰田陽生が安定している山梨学院。大柄な体からゆったりとしたモーションで丁寧に投げ分けていて、死角が見当たらない。控えの投手も安定し、投手力はほぼ万全。打線も3回戦で先発全員安打をマーク。打率7割5分の4番横山悠を軸に猛打を誇り、勢いは8校の中で一番。
白熱した一戦になりそうだが、投打共に好調な山梨学院に分がある。
関東第一ー日大三
これまで、何となく強打のチームというイメージがあった関東第一。しかし、今大会は投手も安定し攻守にまとまっている印象。特に投打の要、坂本慎太郎の充実感が目に付く。これで、4番の越後駿祐に当たりが戻れば更に上位を狙えそう。1番も含めて打線の組み替えがあるか。
こちらも打撃に自信のチームという印象の日大三。1回戦でホームランを放った田中諒の前にランナーを出せるかが鍵になりそう。下位打線にも当たりが出て、相手投手は気が抜けない。投手は近藤優樹が2試合完投。ただ、結構打たれる場面も見られるので、控え投手の出来が鍵を握りそう。
東京同士の対戦になったが、どちらも打力はあるが、投手の安定感で日大三が有利か。
県岐阜商ー横浜
集中打と投手陣の粘りで勝ち上がってきた県岐阜商。ただ、頼みのエース柴田蒼亮が既に2完投1救援とフル回転。他の投手陣の奮起が求められる。打撃面ではほぼ満遍なく当たっているが、坂口路歩がやや低迷。4番が当たれば集中打に迫力が増す。
春夏連覇を狙う大本命の横浜。2年生ながら3試合中2完封と好調な織田翔希。更にエースナンバーの奥村頼人の他、強力な投手が控え不安は無し。打撃陣も上位打線は全員3割以上と、投打共に隙がない状態。安定した試合ぶりで優勝へ一直線。
唯一残った公立高の県岐阜商だが、投打共に好調な横浜の優位は動かない。
沖縄尚学ー東洋大姫路
今大会活躍が目立つ2年生エースの一人末吉良丞を擁する沖縄尚学。ただ3試合全て登板して3回戦の延長11回を含む24回投げている。他の投手の奮起が必要になる。打撃面では3番4番の中心打者に元気が見られないのが不安材料。
強敵を次々連破してきた東洋大姫路。3試合全てに登板したエース木下鷹大の状態が気掛かり。白鳥翔哉真をはじめとする好調な上位打線が早い回に援護出来るかが勝敗を分けそう。接戦なら持ち味が出て勝てる可能性が高くなる。
共に強豪校に勝って勢いのあるチームの対戦。先制点が鍵になるが東洋大姫路有利か。
優勝争いは?
8校全て優勝などの実績があるチームが勝ち残ってきた。更に、準決勝の組み合わせが試合終了後の抽選で決まるのでなかなか予想も難しい。しかし、その中でも投打共に充実の上に、更に強力な投手陣が控える横浜が優勝への一番手。
強力な横浜に対抗するのは、好調な2年生エースを擁する山梨学院と、波に乗る東洋大姫路か。その他では打撃好調な関東第一に注目したい。どのチームも炎天下での死闘熱闘が続き、消耗が激しそう。番狂わせの可能性もあり、楽しめそう。