サッカーJリーグ、大相撲春場所、選抜高校野球大会……、春の訪れと共にスポーツシーズンの到来だが、3月25日のプロ野球開幕で一気に盛り上がり、桜より一足早く満開。それに合わせるように全国的気温も上昇し、桜の開花宣言もあちこちから出てきた。そして、22日に『蔓延防止等重点措置』が解除されてプロ野球は3年振りに観客動員制限無しで開催。球場でテレビでネットで盛り上がりそうなプロ野球のセ・リーグ、パ・リーグの今シーズンを占ってみた。
セ・リーグ順位予想
昨年優勝のヤクルト、2位阪神、3位巨人というAクラス球団の争いか。ただ、抜けたチームはなく昨年同様の最後まで縺れる展開になりそう。連覇を狙うヤクルトがややリードか。開幕投手の小川、進境著しい3年目の奥川、ベテラン石川に昨年のCSや日本シリーズで活躍した高橋、原と先発投手が揃ってきた。安定した救援陣に抑えのマクガフと投手力は抜けている。打線は3番から山田、村上、オスナ、サンタナと厚い中軸に、上下切れ目のないのが心強い。ただ一つの懸念材料は正捕手中村の故障での出遅れと、選手層の薄さか。
昨年惜しくも2位に終わった阪神。2年連続セーブ王のスアレスの退団が大きい。新外国人ケラーに抑えが務まるかが鍵。先発は開幕投手の藤浪、昨年2タイトルの青柳、実績のある西勇、秋山と揃っている。打線は機動力のある上に佐藤輝と大山のハイレベルな4番争いが出来れば優勝まである。巨人は投手力の計算が立たない。エース菅野に往年の力は無さそうだし、若手の高橋、戸郷もオープン戦では調子が上がらなかった。山口、メルセデス辺りが踏ん張れるか。打線は4番岡本和と中田翔が張り切っているが、坂本勇の離脱が余りにも大きい。
昨年同様にBクラスの球団は苦しいか。広島は大瀬良、久里、森下の先発陣に抑えの栗林と投手は計算出来るが、カブスに移籍した鈴木の穴が大きい。小園をはじめとする若手のレベルアップが欠かせない。中日は大野、柳の二枚看板は期待出来るがそれに続く先発投手がいない。打線も大島は健在だが、長打力を発揮出来るのがビシエド一人。根尾とルーキー岡林の活躍を期待したい。昨年最下位のDeNA。エース今永の離脱が余りにも大きい。同じ左腕の東、濱口はいるが先発が2枚も3枚も足りない。頼みの打線も佐野、牧、宮崎はいるが重量感に欠ける。結局、昨年通りのAクラス3チームの争いになりそう。
パ・リーグ順位予想
昨年優勝を争ったオリックス、ロッテに実力のあるソフトバンク、楽天、西武と今年も団子状態の混戦か。昨年は失速したが投打共に駒が揃うソフトバンクが本命。エース千賀を筆頭に東浜、武田、ベテラン和田に石川、そして今年にかける田中と揃う先発。豊富な中継ぎに抑えは森と万全な投手陣。打線も柳田を中心に4番に据えたグラシアル、栗原のクリーンアップ。三森、今宮、中村晃に松田と層の厚さはリーグ一。選手の高齢化を口にする評論家もいるが、夏場に代わりの選手がいて問題ない。最後は経験値で混戦に断を下す。
連覇を狙うオリックスが二番手。ただ、山本に続く先発投手に不安。宮城はオープン戦苦しんでいたし、怪我からの復活が期待される山岡に期待。抑えも38歳の平野にかかる負担が心配。打線は吉田正、杉本の両雄の前後を打つ選手の成績次第。三番手には若手が力を発揮しそうなロッテ。石川、小島、岩下、美馬、二木に加えて160キロの佐々木朗が本格化。打撃はレアード、マーティンの3、4番に荻野、中村奨等の上位に加えて平沢、安田、藤原の若手選手が台頭すれば勢いが出てくる。
先発投手の充実なら日本一の楽天。田中将、則本、岸、涌井に2年目の早川と他球団が羨むスタッフ。抑えも松井裕で万全。ただ、問題は打撃陣。強力な助っ人不在では迫力に欠け、昨年のように投手陣を見殺しにしかねない。昨年の最下位が信じられない程、投打共に揃っているのが西武。昨年2桁の高橋、松本、更に今井を加えた三本柱に隅田、佐藤の両新人が加わって強力打線の援護で一気に乗る可能性もある。打撃は森、山川、中村のクリーンアップに外崎、栗山、源田と切れ目の無いのが強み。新庄ビッグボスで話題の日本ハム。投打共に絶対的な存在の中心選手が不在では苦しい。監督がニュースタイルの野球を目指すのはいいが、脚光を浴びるのが監督一人だけの現状では厳しい。核になる選手が出てくるかが飛躍への鍵になる。日本ハム以外の5球団は戦力に差はなく、最後まで激しい優勝争いが繰り広げられそう。