まん延防止等重点措置適用中に行われる第94回選抜高校野球大会。観客を昨年の1万人から2万人に引き上げて行われる。更に、重点措置が解除された場合はそれ以上に増やす可能性もある。ただ、重点措置解除は感染者数が高止まりにもかかわらず、経済を動かしたい政府の思惑でなされるだけに、甲子園の大観衆が原因のクラスターに発展しない事を祈る。選手、応援団、学校関係者はコロナウイルス禍の中の大会という事を肝に銘じて行動し、無事に大会を終わらせられるように注意して頂きたい。
組み合わせ表
Aブロック
浦和学院 ー 大分舞鶴
和歌山東 ー 倉敷工業
クラーク国際 ー 九州国際大付
広陵 ー 敦賀気比
Bブロック
長崎日大 ー 近江
二松学舎大付 ー 聖光学院
山梨学院 ー 木更津総合
日大三島 ー 金光大阪
Cブロック
高知 ー 東洋大姫路
国学院久我山 ー 有田工業
星稜 ー 天理
只見 ー 大垣日大
Dブロック
花巻東 ー 私和歌山
大島 ー 明秀日立
丹生 ー 広島商業
鳴門 ー 大阪桐蔭
優勝の行方は
Aブロックは開幕試合を制して波に乗ると思われる浦和学院と中国大会優勝の伝統校広陵が有力。浦和学院の先発はサウスポーのエース宮城。173センチと小柄な体いっぱいに使って142キロの球速。遊撃手として3番を打つ金田が控え、投手力は大きく崩れそうにない。打撃は金田と4番鍋倉を中心に集中打が有り力強い。広陵は昨秋12試合で防御率2点台の安定感あるエース森山が軸。打線は一年秋から4番の真鍋が中国大会、神宮大会で打率.467、打点12と成長。3番内海、5番田上のクリーンアップを中心に重厚な打線。
Bブロックは混戦模様だが、二松学舎大付、山梨学院の関東勢の争いか。昨秋の東京都大会で9回2死から逆転サヨナラ負けの二松学舎大付。直球は130キロ台後半だが変化球を巧みに使って、4完投の布施が主戦。控えには外野手も兼ねる大矢、他に今井。打線は打率.542の4番瀬谷を中心に3番親富、5番大矢、6番主将の小林と厚みがある。エース榎谷が鍵を握る山梨学院。最速143キロにカットボールを使って打たせる投球で防御率1.05と安定。打線は2年生4番で打率.514の高橋と勝負強い主将で5番の相澤が引っ張る。
Cブロックは四国大会の覇者高知と近畿ベスト4の天理。山下、高橋、川竹の右の3投手の継投で勝ち進んできた高知。特に8試合登板して防御率1.73の山下の出来が試合を左右しそう。控えの川竹も最速144キロで防御率1.69と安定、打っては4番の二刀流。秋は背番号1の高橋も防御率1.06、3番打者として打率.387とこの三人がチームを引っ張る。奈良県大会は3位ながら近畿大会で準決勝進出して甲子園を決めた天理。エース南澤は近畿大会初戦、準々決勝を3失点の連続完投勝利で甲子園出場の立役者。打線は3番主将で打率.433の戸井、同じく打率.433で4番の内藤を中心に強力。
強豪揃いのDブロックは花巻東と大阪桐蔭が有力。秋の1試合平均10.5得点という猛打で岩手県大会、東北大会を制した花巻東。中でも注目は一年生ながら秋の打率.435、6本塁打という佐々木。既に高校通算本塁打56本というから驚き。また、打点16、本塁打3本の1番宮澤。3本塁打、18打点の4番主将田代。俊足で盗塁10個の菊池とタレント揃い。マウンドは軟投型サウスポーの萬谷が守る。打線が勢い付けば東北勢初の頂点も可能。今や高校野球の王者と行っても過言ではない大阪桐蔭。昨秋も、大阪大会、近畿大会、神宮大会と全てを制して全国唯一の無敗校。伝統の猛打は健在で打率.538、20打点、5本塁打の松尾。打率.462、13打点の田井。打点25の丸山、1番打者で3本塁打の伊藤……と花巻東を上回る好打者揃い。その上、出場投手中随一の防御率0.78の145キロ左腕前田。最速147キロで防御率0.90の別所、防御率1.54の川原と投手陣も付け入る隙がない。
トーナメント戦で行われる選抜高校野球大会。くじ運に左右される場合もあるが、とりあえず各ブロック2校を選んでベスト8を占ってみた。下馬評の高い大阪桐蔭と花巻東が同じブロックに入り、順当なら2回戦で顔を合わせる事になる。この勝者が優勝に大きく前進しそうだが、激突の影響で次の試合に影響が及んで思わぬ結果になる場合もあり、予断は許さない。ベスト8が決まった時点でまた改めてレポートするつもりだが、どんなチームが勝ち残っているのか楽しみ。