大山鳴動して鼠一匹と言ってはお叱りを受けるかもしれないが、まるで優勝でもしたかのように大騒ぎのサッカーW杯。しかし、実際は日本は前回と同じベスト16止まり。この現実を無視して空騒ぎしているなら日本の国民、サッカーファンはおめでたいとしか言えない。
確かに予選リーグでドイツとスペインを下したのは金星と言えるのかもしれない。しかし、過去の優勝国を倒したと言っても大した自慢にはなるまい。あくまでも現時点での戦力で戦うのがスポーツ。現にドイツは予選リーグで敗退し、スペインも日本同様にベスト16止まりという実力なのだから……。
W杯これまでの結果
グループステージ
各グループ上位2チームがノックアウトステージに進出
グループA
1 オランダ 2勝1分 7
2 セネガル 2勝1敗 6
3 エクアドル 1勝1敗1分 4
4 カタール 0勝3敗 0
グループB
1 イングランド 2勝1分 7
2 アメリカ 1勝2分 5
3 イラン 1勝2敗 3
4 ウェールズ 2敗1分 1
グループC
1 アルゼンチン 2勝1敗 6
2 ポーランド 1勝1敗1分 4
3 メキシコ 1勝1敗1分 4
4 サウジアラビア 1勝2敗 3
グループD
1 フランス 2勝1敗 6
2 オーストラリア 2勝1敗 6
3 チュニジア 1勝1敗1分 4
4 デンマーク 2敗1分 1
グループE
1 日本 2勝1敗 6
2 スペイン 1勝1敗1分 4
3 ドイツ 1勝1敗1分 4
4 コスタリカ 1勝2敗 3
グループF
1 モロッコ 2勝1分 7
2 クロアチア 1勝2分 5
3 ベルギー 1勝1敗1分 4
4 カナダ 0勝3敗 0
グループG
1 ブラジル 2勝1敗 6
2 スイス 2勝1敗 6
3 カメルーン 1勝1敗1分 4
4 セルビア 2敗1分 1
グループH
1 ポルトガル 2勝1敗 6
2 韓国 1勝1敗1分 4
3 ウルグアイ 1勝1敗1分 4
4 ガーナ 1勝2敗 3
ノックアウトステージ
ラウンド16
オランダ 3ー1 アメリカ
アルゼンチン 2ー1 オーストラリア
クロアチア 1ー1 日本
(PK戦 3ー1でクロアチア)
ブラジル 4ー1 韓国
フランス 3ー1 ポーランド
イングランド 3ー0 セネガル
モロッコ 0ー0 スペイン
(PK戦 3ー0でモロッコ)
ポルトガル 6ー1 スイス
準々決勝
アルゼンチン 2ー2 オランダ
(PK戦 4ー3でアルゼンチン)
クロアチア 1ー1 ブラジル
フランス 2ー1 イングランド
モロッコ 1ー0 ポルトガル
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今大会の日本の戦い
戦前から盛んに『死の組』と喧伝していた日本。しかし、実力的に劣る日本がグループステージで敗退した時の言い訳にしか聞こえなかった。スペインもドイツも日本は眼中になく死の組とは思っていなかったはず。結果的にドイツとスペインに勝った事は称賛はするが、試合内容は圧倒的に相手に支配されていた。その上、先制した事による油断があって逆転に繋がった部分がある。
しかし、それも含めて勝負だから日本の勝ちには違いない。ただ、『新しい景色』とか『世界で戦える』ともてはやすのはどうか。格下相手に決め切れなかったコスタリカ戦。先制しながら後半になって要所を締めた相手の守備に歯が立たず逆転負けしたクロアチア戦。結果的にグループステージを突破した事は間違いないが、終わってみれば前回と同じベスト16。
個人では2試合共に圧倒的に不利な場面で同点弾でチームを勇気付けた堂安律。ドイツ戦で競り合いから決勝点をマークした浅野拓磨。スペイン戦での見事な折り返しのアシストで世界の注目を集めた三笘薫。その他にも遠藤航、田中碧など印象に残る選手はいた。しかし、この位のパフォーマンスで印象に残った選手は今までの大会にも必ずいた。今回のメンバーが特に実力的に抜き出ていた訳ではない。
日本サッカーの未來
冒頭で述べたように、過去の実績のあるスペイン、ドイツに勝った事は事実。しかし、結局ベスト8の壁は破れず16に終わった事もまた事実。スポーツとは現在の力での戦い。過去に優勝経験があろうが、華々しい実績を有していようが無関係。今回の大騒ぎを見ていると日本のマスコミやファンの意識の低さが気になる。
選手達は今大会に限らず、その時のベストを尽くして戦ってきたはず。しかし、本当に日本サッカーは必勝の気構えがあるのか気になる。戦前からベスト8目標なら参加する意義はない。日本はオリンピックや世界選手権で金メダルを多数獲得するスポーツ大国の一つ。参加するからには優勝、頂点を目指すのがスポーツ。今大会で『違う景色が見えた』と満足しているようではサッカー界に未来はない。
次のカナダ、メキシコ、アメリカの3ケ国共催大会からは出場枠が『32』から『48』へと大幅に増加する。アジアだけでも4枠増。決勝トーナメントへの進出も『32』となる。もはや、日本は本大会出場はもちろん決勝トーナメント進出も必至の条件と求められる。そんな時に相も変わらずベスト8では日本に進歩はない。堂々と『目標は優勝』と気概を持って言える実力を付けて臨んでもらいたい。
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