トルコ・スペルリュグのベシクタシュにレンタル移籍の香川真司の勢いが止まらない。
2月にオランダ・ブンデスリーガのドルトムントからレンタル移籍して、わずか3分間で2得点の華々しいデビューで世界を驚かせた香川。
その後、初先発でアシストを記録する等、4試合2得点1アシストと結果を残していたが、前節は鼠径部を痛めて移籍後初めてメンバー外となっていた。
ここ2戦は勝ち切れず引き分けが続いてフラストレーションが溜まっていたベシクタシュ。
欧州チャンピオンズリーグ出場枠の2位以内を狙うには足踏みは許されない状況の3位。
そして迎えたトルコ時間3月10日のホーム戦。相手は4位のコンタスポル。絶対に負けられない相手。
負傷明けという事もあってかベンチスタートとなった香川。
試合は前半14分、ベシクタシュのFWアデム・リャイッチのゴールで先行するが、5分後に追い付かれる。
33分、相手ペナルティーエリア前で獲得したFKをFWブラク・ユルマズが沈め、前半はベシクタシュが2ー1とリードして終える。
そのまま進んだ後半30分、香川は前半先制ゴールを決めたFWリャイッチに代わって途中出場。
しかし、直後に同点ゴールを決められて2ー2の振り出しに戻ってしまう。
香川は積極的に自らシュートを放ったリ、効果的なパスでチームをリードするが得点に結びつかず、引き分けのまま試合終了かと思われたアディショナルタイム3分。
DFアドリアーノがカットしたボールを拾った香川。
左サイドからドリブルでエリア内に侵入。狭いゴールキーパーのサイドを狙った左足のシュートがゴール右隅に突き刺さり、試合終了間際の劇的決勝点となった。
デビュー戦の2ゴールといい、今回のアディショナルタイムでの決勝ゴールといい、ドルトムントで納得の行かない不遇を託った香川だが、その間の雌伏の時が更に己のサッカーに凄味を加え、一回り成長した気がする。
一回りも二回りも大きくなった香川が、これからのベシクタシュの真のリーダーとしてチームを引っ張り、押しも押されもせぬ中心選手として君臨して行くだろう。
しかし、それはトルコ・スペルリュグだけに留まらず、日本代表復帰としての活躍も待たれる事になる。
勢いに乗って実力以上の好成績で勝ち進んでいた日本代表。
しかし、2月1日の決勝戦で格下のカタールにまさかの完敗。
こんな停滞した時こそ、実力と経験値を持ち、更に凄味を増したカリスマ性のある香川の力が必要。
これまで森安ジャパンに招集されなかった事自体が間違いで、これから香川が日本代表を引っ張っていかなければワールドカップを始めとする国際大会での飛躍は無い。