タイガー・ウッズ14年ぶりのマスターズ制覇へのサンデーバックナインが始まった。
昨年全英オープンを制したF.モリナリから2打差の11アンダーでスタートした最終日。
ウッズは一つスコアを伸ばしてモリナリから1打差の12アンダー。
同じ組で回ったT.フィナウも11アンダーと最終組で息の抜けないトップ争いが続く。
サンデーバックナインの始まりと共に首位争いは動き、10番でウッズはショットが乱れて痛恨のボギー。
フィナウもボギーでスコアを落とす中、モリナリは堅実にパーセーブして2打差リード。
11番、ウッズは再びショットを乱して右の林に打ち込むピンチ。10、11番と力が入ったのかショットが不安定。
しかし、このピンチを見事なセカンドショットでリカバリーしてパーで切り抜ける。
12番パー3。ここでゲームが大きく動く。
モリナリが池に打ち込んでダブルボギー。
ウッズはフェアウェイをキープしてパー。ついにモリナリを捉えてトップタイ。
フィナウもモリナリ同様に池に打ち込んで優勝争いから後退。
後半になってから降り出した雨が強くなる中、前でプレイしていたP.キャントレーが15番ロングホールでイーグルを奪い、一気に12アンダー。
更に2つ前の組のX.シャウフレが連続バーディーで12アンダーに伸ばし、ウッズとモリナリは3位タイに後退。
13番ロングホールでタイガーとモリナリがバーディーを奪って12アンダーに追い付くと同時に16番でキャントレーがボギー。
猫の目のようにトップ争いはめまぐるしく変わり、この時点で12アンダーはシャウフレ、ウッズ、モリナリの3人。
1打差の11アンダーに3連続バーディーで追い上げたB.ケプカとキャントレー。更に10アンダーに2人と優勝争いは混沌。
降り続く雨でボールの転がりが微妙に変化してグリーンも重くなってきた。
ここで、D.ジョンソンが16番、17番連続バーディーで12アンダー。ケプカもバーディーで12アンダーは5人に。
逆にキャントレーは15番でまさかのダブルボギーで10アンダーに後退。
14番を共にパーで通過したウッズとモリナリ。勝負は15番のロングホール。ウッズが見事なショットで2オンからバーディー。13アンダーでついにトーナメントリーダーに。
対照的にモリナリは12番に続いてまさかの池ポチャ。ダブルボギーで10アンダーに後退。
16番パー3のショートホール。緊張感からかウッズは時折深呼吸をしながらも落ち着いてラウンドを続ける。
力まずに軽く振り抜いたように見えたショットはピン側70センチに付け、連続バーディー。優勝をグイと引き寄せる。
この時点で2打差リード。パトロン達の大歓声が地鳴りのように響き渡る。
一方のライバル達はシャウフレが12アンダーのままホールアウト。
ケプカも17番のバーディーチャンスを逃して12アンダー変わらず。
17番をパーで終えたウッズ。
18番のショットもフェアウェイをキープ。
この時、唯一逆転の可能性があるケプカは12アンダーでホールアウト。
いよいよ14ぶり5度目のマスターズ制覇の瞬間が近づく。
パトロン達のスタンディングと拍手の中、母親と子供達に見守られながらグリーンに入ってきたウッズは深呼吸をしながら緊張感を和らげる。
長いパットは無理しないで寄せてボギーで切り抜ける。
ボールがカップに吸い込まれた瞬間、ウッズは小さくガッツポーズ。
更に大きく両手を掲げて雄叫びした後、キャディーの祝福を受け、グリーン側で待つ家族の元へ。
涙を浮かべながら子供達や母親と長い抱擁を交わす。
地鳴りのようなパトロン達の拍手と歓声はいつまでも止まなかった。
初優勝の時は今は亡き父親に見守られながら。
そして、14ぶり5度目の制覇は子供達の前で父親としての威厳を保つ復活劇。
「決して諦めてはいけない。戦い続ければ、乗り越えられる」
40代になって以前のような圧倒的強さではなかったが、様々な困難を乗り越えたタイガー・ウッズは若い頃と違ったゴルフでこれからも人々を魅了し続けるだろう。
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