中日を終えた大相撲初場所。予想通りの混戦模様で千秋楽に向けて目が離せない状況になってきた。横綱照ノ富士が3場所連続休場の上に御嶽海、正代が相次いで大関陥落で、看板力士は大関貴景勝一人という異常事態。その貴景勝が2日目に土が着いたものの、その後は一敗を保っている。
しかし、4関脇4小結という豪華番付で期待された三役陣は、下位力士への取りこぼしや星の潰し合いで次々と黒星献上。西関脇豊昇龍が唯一人6勝2敗で面目を保っているものの、高安は途中休場、大関復帰の10勝を目指した正代は早くも2勝6敗で今場所での復帰は消滅。混戦の初場所後半を占ってみる。
初場所中日までの成績
7勝1敗
貴景勝 琴勝峰
6勝2敗
豊昇龍 大栄翔 阿武咲 碧山 東龍 宝富士
初場所優勝者は誰か❔
大関という番付からしても貴景勝が最有力になるのは間違いないが、常々述べているように回しを取られたらほぼ勝負ありの取り口では安定感に欠ける。今場所も7勝の内、一方的に突き押しで勝負が付いたのは2、3番。あとは、どちらに転んでもおかしくないような危ない相撲内容ばかり。ただ、一人大関の責任感を保って気力で取っている状態。一つ負けるとガタガタに崩れそうな危険な本命候補といっても過言ではあるまい。
もう一人の一敗琴勝峰もいるが、貴景勝に次ぐ優勝候補は関脇豊昇龍。かってのひ弱さは消えて、押し相撲にも一気に持っていかれる事は少なくなって、持ち前の粘り腰での逆転勝ちも多い。その上、最近は自分からまえみつを取って引き付けて前に出る相撲も見せている。ただ、気になるのは連敗癖。昨年も三連敗、四連敗が4場所もある上に、スタミナに欠けるのか後半戦の黒星が多い。勝負の懸かる後半戦で力を発揮出来るかがポイント。
他の2敗勢では力強い突き押しが冴えている大栄翔。優勝経験もある実力者だけに、8日目の黒星は残念だが再び乗ってくれば面白い存在になる。その他の2敗では鋭い出足から一気の押しが身上の阿武咲までか。1、2敗力士がこのまま勝ち続けるとも思えないので3敗でもチャンスはありそう。上位戦を残している霧馬山。2回の優勝経験があり波に乗ったら怖い玉鷲、先場所優勝の阿炎にも可能性はあるが二人とも3連敗が響くか。
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横綱、大関へ昇進は❔
一人横綱照ノ富士が休場の上に御嶽海、正代が相次いで大関陥落して上位陣は貴景勝ただ一人という大相撲。協会としてもファンとしても新しい横綱、大関が喉から手が出る程欲しい状況。しかし、その成績に見合わない力士を安易に昇進させるべきではない。横綱への昇進資格者は貴景勝一人だが、昨年の成績は途中休場、8勝、8勝、11勝、10勝、12勝。首の怪我を抱えて不甲斐ない他の大関よりは奮闘しているが、横綱を狙える成績としては物足りない。ただ、先場所は12勝とはいえ優勝同点という結果は残している。今場所13勝でも優勝の場合は昇進の可能性はある。可能性としては五分五分だが精神面も含めて注目してみたい。
一方の大関候補は多士済々とも言えるが、逆に言えば本命不在の状況。現在、最も近いとみられるのが関脇豊昇龍。現在幕内15場所目の23歳。叔父朝青龍譲りの強靭な足腰と負けず嫌いな性格で早くから注目されていたが、軽量故の力強さに欠ける点がネックでやや足踏み状態。しかし、一年前の初場所11勝で三役になって以来一度も負け越しはなく、先場所の11勝で一躍大関候補に。今場所は立ち合いから一気に攻める相撲もみられ、6勝2敗。今場所2桁なら来場所に大関を懸ける事になる。
大関に最も近いと言われていた若隆景。昨年春場所に関脇で12勝3敗で初優勝。一躍大関争いの先頭に立ったが、その後9勝、8勝、11勝、8勝と安定感に欠ける上に今場所4勝4敗。主役の座を取り戻すには残り全勝しかない状況。その他には稽古熱心で一歩一歩着実に力を蓄えてきた霧馬山。今場所3勝5敗と出遅れたが膝の怪我を乗り越えて再起、柔らかさと力強さを兼ね備えた大器琴ノ若。そして、不祥事で三段目まで下げた番付から今場所関取に復帰。大関返り咲きを狙う朝乃山。その他にも20代前半から半ばまでの楽しみな力士が揃い、群雄割拠という状況になっている。優勝争いと共に大関先陣争いにも注目して今年の大相撲を楽しみたい。
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