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大相撲春場所回顧❗初優勝の若隆景&最後まで争った高安、琴ノ若❗

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大相撲春場所は横綱照ノ富士の途中休場で予想通りの混戦。横綱に代わって看板となるはずの大関陣はカド番脱出がやっとの正代と貴景勝がそれぞれ9、8勝と勝ち越しが精一杯。新大関の御嶽海こそ安定した取り口で白星を重ねたが、勝負となる10日目以降3敗で千秋楽を待たずに優勝戦線から脱落

上位陣に代わって場所を盛り上げたのは、力強い押しと強靭な足腰で初優勝を手にした若隆景。10日目まで落ち着いた取り口と攻守に安定感を見せて終始優勝争いをリードした元大関高安。先場所に続いて最後まで優勝争いに加わった若武者琴ノ若。この三力士に焦点を当てて春場所を回顧してみる。

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初優勝若隆景

まさか、若隆景が優勝を射止めるとは場所前に考えてもみなかった。昨年から強烈な押っつけと柔軟で強靭な足腰で前頭上位で活躍し、小結も経験してはいたが130キロ前後の軽量で苦戦を強いられるのもしばしば目にしていた。今場所は正攻法の攻めで相手を押し上げ、反撃されては驚異の粘り腰で白星を重ねてきた

その充実振りは小柄な体ながら、8日目以降勝っても負けても全て寄り切りという決まり手に現れている。立ち合いの変化は殆んどなく、大型力士にまともにぶつかって攻める相撲は元横綱千代の富士を彷彿させる。いきなり大関候補にクローズアップされた。しかし、一場所だけなら勢いで星をあげる力士は多々ある。対戦相手に研究されても好成績を残せるか、来場所が真価を問われる

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復活へ、高安

場所前から番付を下げた高安の大勝ちは予想出来たが、大関時代よりも更に安定感を増した10連勝には驚いた。実力は認めるが、先場所部屋関係者のコロナウイルス感染で全休。その上、合同稽古も出稽古も禁止され、他に関取がいない田子ノ浦部屋では調整に不安があった。しかし、色々なタイプの力士が部屋にいると、黙々と稽古を続けて臨んだ本場所

初日からじっくり相手を見て、攻めるが深追いはしない慎重な取り口で白星を連ねた。しかし、苦手としている若隆景に直接対決で敗れた11日目暗雲が漂う。翌日からの御嶽海、貴景勝の大関連破で優位に立ったが14日目から決定戦も入れて3連敗で優勝を逃す。一年前の春場所でも似たような状況で逃した優勝。精神面を言う人もいるが、強化した下半身の安定感で再びチャンスはやってくる

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大器覚醒・琴ノ若

膝の故障で前頭上位から番付を下げて苦しんだ昨年の琴ノ若。しかし、14枚目まで下げた初場所で最後まで優勝争いに加わり11勝。相撲内容も突き押しから前に出る積極的な取り口になって、大柄な体が活きてきた。もともと、組んでも離れても勝負出来る上に、器用な面も持ち合わせる。しかし、『猛牛』と呼ばれた祖父の元横綱琴櫻の血筋が目覚めたような迫力ある突き押しも魅力

一場所なら大勝ちする力士は余多いるが、先場所に続いての11勝は確かな実力の証し。同じようなステップの阿炎は今場所勢いが止まったが、突き押しだけでなく回しを引いても相撲が取れる琴ノ若は安定感で上回る。まだ24歳と若いが、大成する力士は20代前半で一気に番付を上げるもの。前頭上位に番付が戻る来場所からが、幼少期から相撲の基本を教わった祖父と同じ頂点を目指す挑戦が始まる

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