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綱の貫禄❗大相撲夏場所、照ノ富士苦しみながらも7回目の優勝❗

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ほぼ、正常に近い観客を入れて行われた大相撲夏場所。横綱照ノ富士の下半身の故障から混戦が予想されていたが、その予想を上回る大混戦。レベルの低下が懸念されたが、強い横綱が万全の態勢で土俵を締めるのもいいが、観る方からしたら千秋楽まで目が離せない大混戦もなかなか面白かった

しかも、初日の大栄翔に一方的に押し出された上に、早い段階で3敗を喫した照ノ富士が最終盤に実力を発揮して混戦に断を下すという、まるでドラマを見ているような逆転劇。観客もテレビ桟敷で応援したファンも大相撲の魅力を再認識させられたはず。その大相撲夏場所を振り返ってみる。

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波乱続きの序盤戦

波乱の幕開けは初日結びの一番で大栄翔になす術もなく押し出された横綱照ノ富士の土。この一番を見た限りでは古傷の膝の状態は最悪で、途中休場の可能性が高いように思われた。それでも、その後は苦しみながらも4連勝の照ノ富士。しかし、相撲内容は元気な頃とは程遠く、押し相撲や、変化のある力士に付いていけるかの不安が付きまとっていた

それに輪をかけたような不安をもたらしたのが三大関。最も期待された御嶽海は本来の鋭い当たりが見られず序盤で3敗。先場所後半力強い相撲で巻き返し、カド番を脱した正代はまた元に戻ったように精彩を欠き、僅か1勝という不甲斐なさ。貴景勝だけが3勝2敗としたが、以前に痛めた首の影響が残るのか、この大関特有の相手を弾き飛ばす立ち合いが出来ていない

先場所優勝争いを演じて大関陣以上に期待された2人も下馬評に反してパッとしない。関脇若隆景は鋭い押っつけが見られず、焦って反撃するところを引かれたり、逆転されたりして2勝3敗と連覇の可能性はなくなってしまった。それ以上に期待されていた元大関の実力者高安。場所前の連合稽古にも積極的に参加していたが、初日御嶽海、2日目照ノ富士に善戦の末負けると波に乗れずに、まさかの1勝4敗という大誤算

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平幕奮闘の中盤戦

不甲斐ない上位陣に代わって場所を引っ張ったのが平幕力士。初日から6連勝の前頭11枚目碧山、5連勝の前頭15枚目の一山本。中日8日目を終えて、6勝2敗のトップは何れも平幕の3枚目玉鷲、4枚目隆の勝、11枚目碧山、12枚目佐田の海、15枚目一山本の5人。更に、星のつぶし合いの末、10日目時点では8勝2敗が隆の勝と一山本の2人。3敗で照ノ富士、霧馬山、宇良、碧山、佐田の海という展開

今場所は、いつもなら激しい星のつぶし合いがある中盤から終盤に掛けて、連勝の力士が多かった。隆の勝の終盤に掛けての9連勝。照ノ富士が9日目から千秋楽までの優勝を決めた7連勝。霧馬山の中盤のやはり7連勝。残念ながら怪我で途中休場になったが宇良の6連勝。いつもの場所ならつぶし合いで連勝者は少ないように思うが、この連勝をした力士達によって、ますます優勝の行方が分からなくなっていく

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白熱混戦の終盤戦

そして、大詰めを迎えた終盤戦。一山本の11日目からの連敗で単独トップに立ったのが隆の勝。12日目の一山本戦までは持ち前の積極的な攻めで、寄りきり、押し出しと相手を圧倒していく。しかし、まるで先場所の高安を見ているように、大事な場面で硬さが出てしまう。鋭い立ち合いが影を潜め、相手十分の相撲を取られて星を落としてしまった

そんな中、8日目までの3敗が嘘のように相手を捕まえて前に出る相撲を取り戻した照ノ富士。7連勝の決め出し、寄り倒し、押し出し、寄りきりの決まり手が示すように相手を圧倒していく。経験の差と言えばそれまでだが、優勝経験のない力士達との争いでは実力もさることながら、精神面での強さが際立っていた。最終的に横綱が賜杯を抱いた事はともかく、最後まで争った平幕陣には敬意を表したい。ただ、来場所二人もカド番を迎える大関陣の奮起なくして本当の盛り上がりはない

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