11月最後の週末も数え切れないぐらいの競技のスポーツで大盛り上がり。
大相撲九州場所、卓球の全農カップ、フィギュアスケートNHK杯、クイーンズ駅伝、男女プロゴルフ、大詰めのJリーグ……
それらの中から、今回のスポーツア・ラ・カルトは、霧島が制した大相撲、世界一が貫禄を示したジャパンカップ、卓球のリポート
稽古十分の霧島が制す
混戦模様の大相撲九州場所を制したのは、場所前に一日40番以上の猛稽古を敢行した大関霧島。また、貴景勝の綱取り成るかが注目されたが、予想通りに安定感に欠ける相撲で早々に失速。
何度も当ブログで触れたが、突き押し一辺倒では頂点に立つのは至難の技。特に首に故障があって頭からのぶちかましが出来ない貴景勝では尚更の事。まだ27歳とこれからピークを迎える年齢だが、今の相撲内容では綱取りは難しい。
一方の霧島は軽量のハンディはあるが、持ち前のスピードと相撲の巧さは角界随一。ただ、横綱を目指すには安易な変化や、いなしの多用は禁物。元横綱の日馬富士のように徹底して攻める相撲の体得こそが綱取りにつながると思うが……。
大関陣以上に期待され、大関昇進を狙った三関脇は何れも目標には届かなかった。中でも、大関に最も近いと思われた大栄翔は今場所一気に突き切れる迫力に欠けて9勝止まり。また、若元春に至っては6勝止まりで三役陥落が決定的。
その中で唯一期待を持たせてくれた琴ノ若。初日から落ち着いた取り口で6連勝としたが攻める姿勢に欠け、2回の連敗で優勝争いから後退。11勝して存在感は見せたが、格下にはじっくりでも、上位戦では攻めの姿勢を貫いて欲しい。
また、2場所連続の11勝で組んでも離れても良しの相撲で優勝争いに加わった21歳の熱海富士。外連味のない突き押しで2大関を連破した豪ノ山。同じく二人の大関に勝ち2桁の元大関高安などの活躍が目立った。
イクノイックス6連勝
またまた強さを見せ付けてくれた世界ナンバーワンホースイクノイックス。今回は今年の牝馬三冠のリバティアイランドとの対決が注目を集めた。こちらは前走までGⅠ4連勝で、今回は3歳牝馬で負担重量54キロ。
対して牡4歳馬のイクノイックスは58キロと、その斤量差は4キロ。好スタートから大逃げのパンサラッサの3番手に付けたイクノイックス。それを見るようにやや離れた内側から4番手のパンサラッサ。
4コーナーを回って直線に入り、自ら前の馬を捕えにかかったイクノイックス。それをマークして並び掛けようとしたリバティアイランド。しかし、力の差は歴然で懸命に追う相手をノーステッキで4馬身ちぎったイクノイックスの完勝。
これでGⅠ6連勝として総獲得賞歴代一位になったイクノイックス。現役どころか歴代最強馬と言っても過言ではないだろう。今後、有馬記念に向かうのか。そして、来年は日本競馬界の悲願凱旋門賞制覇に向かうのか……。
勢力図変えるか15歳
来年のパリオリンピックの代表を決める選考会・全農カップ大阪大会が11月25日、26日行われ15歳の張本美和が優勝。決勝戦では代表選考ポイント1位の早田ひなに4ー2で快勝。
これで、張本は今大会でポイント3位の伊藤美誠、そして7月の全農カップ東京大会で2位の平野美宇にも勝利。黄金世代と言われる3選手に今年勝利した事になる。
一方、接戦のポイント争いを繰り広げる平野、伊藤は共に準々決勝で敗退。順位決定戦で平野6位、伊藤7位で差は34・5と10ポイント広がり、平野優勢の色が濃くなったか。
今年のアジア競技大会以降、急伸して注目を浴びる張本。現在、2位の平野とは150点差以上で逆転は不可能。しかし、このまま張本の快進撃が続くなら、三番手の選手としての代表選考もあるのか。ますます目が離せなくなってきた。