
ウィンタースポーツ真っ盛りの季節だが、春からの開幕に向けてプロ野球やサッカー等のキャンプも始まった
また先月行われた大相撲初場所では、綱取りをかけた2人の大関の内、豊昇龍が複数の反対意見がある中で横綱昇進を決めた
今回のスポーツア・ラ・カルトは、横綱昇進と、プロ野球キャンプでの注目選手のリポート
豊昇龍の横綱昇進について
大関2人が横綱昇進を目指した大相撲初場所。本命視された琴桜は初日こそ白星で発進したものの、2日目からまさかの5連敗で綱取り消滅。一方の豊昇龍も9日で3敗目を喫して、トップから3差で事実上の終了と思われた。
しかし、完全に自分を見失ってしまった琴桜に対して、豊昇龍は終盤戦6連勝で平幕王鵬、金峰山との優勝決定戦に持ち込んだ。最後まで攻めの相撲を押し通して2人を退け、逆転で2回目の優勝を遂げ、横綱昇進を果たした。
ただ、昇進を協議する審判部の中で、複数の反対意見があった。横綱昇進の条件は2場所連続優勝。またはそれに準ずる成績と定められている。しかし、昨年の九州場所は13勝2敗で琴桜に優勝を奪われ、今場所は12勝3敗の優勝ではレベルが低すぎるという意見が叫ばれた。
昇進直近2場所の25勝、3場所33勝ともに平成以降に誕生した横綱のワースト記録。過去には14勝、13勝、13勝の旭富士。14勝(優勝)、11勝、15勝(優勝)の貴ノ花。14勝(優勝)、13勝の白鵬などが好成績を残しながら昇進を見送られている。
しかし、横綱審議委員会では満場一致で昇進を決定。普通なら諮問にも付されない低レベルながらの昇進では、横審など不要と言われても仕方あるまい。今年10月にロンドン公演が行われる。横綱土俵入りが行われない事態を回避する為に昇進を認めたという噂も流れる。
「興行のためにハードルを下げていいのか。一定の基準を崩してはいけない」と指摘する幹部。無条件での昇進とはならなかった豊昇龍。地位が人を作るとも言われる。「横綱の名を汚さぬよう、気魄一閃の精神で精進致します」との口上通り心技体揃った横綱を目指して欲しい。
キャンプの注目・田中将大
今更、過去の実績を並べるまでもない、メジャーとプロ野球で成績を残した田中将大。日本で119勝68敗、メジャーでは78勝46敗。日米通算197勝と通算200勝まであと3勝に迫っている。しかし、昨年の契約更改で折り合わず自由契約に。
プロ入り2年目、オリンピック出場で9勝に終わったが、メジャー移籍後も2019年まで11年連続2桁勝利。特に伝説となった2013年は楽天を初めてのリーグ優勝と日本一に導く24勝無敗。その後のメジャー移籍後も含めて34連続勝利のギネス世界記録。
ヤンキースで2014年から2020年の7年間先発投手として活躍。2021年楽天に復帰。ただ、12球団一とも言われる貧打線で勝ち星につながらず、プロ入り初めてとなる負け越し。4勝、9勝、7勝、そして昨年は肘の手術もあって登坂は1試合のみに終わっている。
減額制限を大幅に超える年俸提示に「期待されていないようだ」と、自由契約を選択した田中。なかなか移籍先が決まらず心配されたが、手を挙げたのは巨人。昨年復活してメジャー移籍した菅野智之を再生させた久保康生巡回コーチの指導で復活を目指す。
2月1日からの春季キャンプ3日目でブルペン入り。久保コーチとのマンツーマンで36球を投げ、「すごい収穫だったなと思います」と手応え十分な様子。キャンプ前からブルペン入りしていたというが、「投げてる感覚が全然違います。めちゃくちゃいいです」と話す。
投打共に豊富な戦力だけに阿部慎之助監督も、慌てる必要はないとマイペースな調整を認めるようだが、ここまでは極めて順調のようだ。楽天ではバックの貧打に苦しんだが、リーグ一の強力打線だけにその心配はない。勝ち星を積み重ねて伝説のエース復活か。