東京オリンピックと同じ東京体育館で行われた卓球ワールドカップ団体戦。男女共に中国の圧倒的強さが際立ったが、その中国に次ぐ準優勝を果たした女子。
石川佳純、伊藤美誠、平野美宇の３選手に固定して戦った今大会。中国以外には勝てる目処が立ったが悲願とする『打倒中国』はあと９ヶ月で果たせるのか。厚い中国の壁に挑む卓球女子のワールドカップ団体戦の戦いぶりと、東京オリンピックでの金メダル獲得の可能性を考えてみる。
● ワールドカップ女子団体戦の結果
予選
• Ａグループ
中華人民共和国３━０ウクライナ
中華人民共和国３━０エジプト
ウクライナ３━１エジプト
中華人民共和国とウクライナが決勝トーナメント進出
• Ｂグループ
日本３━０アメリカ
日本３━０オーストリア
アメリカ３━１オーストリア
日本とアメリカが決勝トーナメント進出
• Ｃグループ
チャイニーズタイペイ３━１ルーマニア
チャイニーズタイペイ３━０バヌアツ
ルーマニア３━０バヌアツ
チャイニーズタイペイとルーマニアが決勝トーナメント進出
• Ｄグループ
大韓民国３━０中国香港
大韓民国３━０ブラジル
中国香港３━０ブラジル
大韓民国と中国香港が決勝トーナメント進出
決勝トーナメント
• 準々決勝
中華人民共和国３━０アメリカ
チャイニーズタイペイ３━２中国香港
大韓民国３━１ウクライナ
日本３━０ルーマニア
• 準決勝
中華人民共和国３━０チャイニーズタイペイ
日本３━１大韓民国
• 決勝
中華人民共和国３━０日本
見て分かるように中華人民共和国が圧倒的な強さを誇る女子団体戦。今大会は東京オリンピックと同じ方式のダブルス１試合、シングルス４試合。３勝した時点で勝利確定だが中華人民共和国は予選、決勝トーナメントを通じて全てストレートの３━０での勝利。
また、今大会ベスト４に進んだ顔ぶれをみて分かるように、中華人民共和国、日本、チャイニーズタイペイ、大韓民国……と、全てアジア勢。正に『アジアを制するものは世界を制する』 来年の東京オリンピックはアジア勢を中心に争われる事だけは間違いない。
● 東京オリンピック女子団体戦の展望
今大会は前述したように、東京オリンピックと同じ方式を採用して争われたが、ただ選手数は５人まで登録可能。中華人民共和国等も５選手を登録して、試合ごとにダブルスの組み合わせを代えたり、シングルスの選手も代えて５人で戦っていた。
ところが、東京オリンピックでは３選手しか登録出来ない。日本は石川佳純、伊藤美誠、平野美宇、佐藤瞳の４選手の登録。しかし、東京オリンピックを見据えてダブルス＝石川佳純•平野美宇組、シングルスは伊藤美誠２試合、石川佳純•平野美宇各１試合と、３人だけで戦う東京オリンピック方式に徹した。
現在の世界ランキングは７位伊藤美誠１３３４０ポイント、８位石川佳純１１８０５ポイント、１０位平野美宇１１３７５ポイントに対して、日本人４位に当たる佐藤瞳は１９位８４８５ポイント。
東京オリンピック代表は２０２０年１月発表時点でのランキング上位２人がシングルスの代表に決定。更に、団体戦の要員となる３人目は団体戦での活躍が期待出来る選手１人を強化本部が選出する事になっているが、選ばれる日本代表は、伊藤美誠、石川佳純、平野美宇の３人でほぼ決まりだろう。
今回、東京オリンピックスタイルに徹して獲得した銀メダル。この経験値はきっと本番でものを言うはず。他のアジア勢ももちろん油断は出来ないが、日本の最終目標は『中華人民共和国を倒しての金メダル』 残り９ヶ月で今の中華人民共和国との差を縮めるのは容易ではない。
しかし、日本にチャンスがあるとしたら平野美宇の覚醒だろう。２年前全日本選手権で史上最年少の優勝を飾り、中華人民共和国勢を次々に倒してアジア選手権も制覇。『ハリケーン•ヒラノ』と恐れられた逸材。昨年、今年と中華人民共和国勢に徹底的にマークされて苦しんでいるが、ようやく復調の兆しが見えてきた。持ち前の『高速ラリー』で中華人民共和国勢をぶち抜く事が、東京オリンピックでの団体、シングルスでの悲願の金メダル獲得の必須条件だ！
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