熱闘の日本シリーズも終わってホッと一息状態のプロ野球界。選手達は長いシーズンを終えて酷使してきた体のケアや、リフレッシュの一時を迎えているのでしょうか。もちろん、秋季練習やフェニックスリーグ、更には来年のWBCに向けての強化試合などに出場している選手もいる。
それと共に、この時期はストーブリーグともいわれて希望に燃えて入団するドラフト指名選手をよそに、球団から契約を切られて移籍先を探す選手。更には、新たな道への第一歩を踏み出す選手など悲喜こもごものドラマが生まれる。今回はその中からメジャーを目指す選手について考えてみる。
日本人歴代大リーガー
投手
デビュー年 選手名 最初の所属球団
1964 村上雅則 ジャイアンツ
1995 野茂英雄 ドジャース
1997 マック鈴木 マリナーズ
1997 長谷川滋利 エンゼルス
1997 柏田貴史 メッツ
1997 伊良部秀輝 ヤンキース
1998 吉井理人 メッツ
1999 木田優夫 タイガース
1999 大家友和 レッドソックス
2000 佐々木主浩 マリナーズ
2002 野村貴仁 ブルワーズ
2002 小宮山悟 メッツ
2002 石井一久 ドジャース
2004 大塚晶則 パドレス
2004 高津臣吾 ホワイトソックス
2004 多田野数人 インディアンス
2005 藪恵壹 アスレチックス
2006 斉藤隆 ドジャース
2007 岡島秀樹 レッドソックス
2007 松坂大輔 レッドソックス
2007 井川慶 ヤンキース
2007 桑田真澄 パイレーツ
2008 福盛和男 レンジャーズ
2008 小林雅英 インディアンス
2008 黒田博樹 ドジャース
2008 薮田安彦 ロイヤルズ
2009 上原浩治 オリオールズ
2009 川上憲伸 ブレーブス
2009 高橋建 メッツ
2009 田澤純一 レッドソックス
2010 高橋尚成 メッツ
2010 五十嵐亮太 メッツ
2011 建山義紀 レンジャーズ
2012 ダルビッシュ有 レンジャーズ
2012 岩隈久志 マリナーズ
2013 藤川球児 カブス
2014 田中将大 ヤンキース
2014 和田毅 カブス
2015 村田透 インディアンス
2016 前田健太 ドジャース
2018 牧田和久 パドレス
2018 平野佳寿 ダイヤモンドバックス
2018 大谷翔平 エンゼルス
2019 菊池雄星 マリナーズ
2020 山口俊 ブルージェイズ
2021 有原航平 レンジャーズ
2021 澤村拓一 レッドソックス
野手
2001 イチロー マリナーズ
2001 新庄剛志 メッツ
2002 田口壮 カージナルス
2003 松井秀喜 ヤンキース
2004 松井稼頭央 メッツ
2005 井口資仁 ホワイトソックス
2005 中村紀洋 ドジャース
2006 城島健司 マリナーズ
2007 岩村明憲 レイズ
2008 福留孝介 カブス
2011 西岡剛 ツインズ
2013 青木宣親 ブルワーズ
2013 川﨑宗則 マリナーズ
2013 田中賢介 ジャイアンツ
2018 大谷翔平 エンゼルス
2020 秋山翔吾 レッズ
2020 筒香嘉智 レイズ
2022 鈴木誠也 カブス
2022 加藤豪将 ヤンキース
何故メジャーを目指すのか
1964年村上雅則が投手として初めて大リーガーになって以来、31年間途切れていたメジャーへの道を再び切り開いのがトルネード野茂英雄。その1995年から毎年のようにメジャーを目指す選手が現れ、現在まで村上以来投手47人、野手19人がメジャーのグラウンドを踏んだ。
圧倒的に投手が多いのはパワーの差からくるものだろう。投手も大きいに越したことはないが、体格に恵まれなくても球速でメジャーに劣らない選手はいるし、変化球を駆使すれば日本人でも見劣りはしない。その点、野手は圧倒的な体格の差からくるパワーは埋めがたい。イチローのように足で内野安打を稼げる選手でないと難しい一面がある。
それにしても、なぜ我も我もとメジャーを目指すのだろうか。移籍を望む選手の声で圧倒的に多いのが、「最高峰の舞台で戦ってみたい」、「メジャーで自分の力を試してみたい」というもの。私には綺麗事にしか聞こえない。はっきりいって、メジャーの高額年俸が魅力なのは間違いあるまい。それならはっきり言ってくれた方がスッキリすると思うのは私だけだろうか……。
ま、選手それぞれの野球人生だから他人がとやかく言うものではないが、猫も杓子もメジャーという風潮には疑問を感じる。日本で傑出した成績を残した選手なら頷けるが、中には、あの選手がと首を傾げたくなる選手も少なくない。華々しい実績を残すのは一握りの選手だけ。熟考して決断した方が良いのではと老婆心ながら思ってしまう。
プロ野球の空洞化を憂える
今は野球に限らずサッカー、ゴルフ、バスケット、テニス……様々なスポーツで海外を目指す選手は多い。確かに高額な年俸や賞金は魅力的だが、それだけではないのだろう。通用するか否かという不安以前に、もっと高いレベルで戦う事によって更に自分もレベルアップしたいという思いなのかもしれない。
そういう強い意志が選手達を海外に向けさせるなら他人が口を挟む事ではないのだろう。しかし、その為に日本のスポーツ界の空洞化が進行するなら何とか手を打たなくてはならない。例えば、サッカーのワールドカップみたいにWBCをもっと権威のある大会にするのはどうだろう。
その為にはメジャーをWBCの期間中は休止して、選手達をそれぞれの国の代表として派遣させる事。あるいは、メジャーのワールドシリーズを制したチームと日本シリーズの覇者が【リアルワールドシリーズ】として相まみえるのもいい。とにかく、指をくわえて見ているだけではプロ野球の空洞化は避けられない。みんなで知恵を出しあって必要な対策を練って欲しい。
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