シンフィギュアと銘打ってフジテレビ系で放映されたフィギュア全日本選手権。今年は羽生結弦がプロ転向した上に、男女共にジュニア勢の台頭もあってまさしくフィギュア新時代という意味なのであろう。男女共にグランプリシリーズで複数の優勝者が出た上に、グランプリファイナルでも宇野昌磨と三原舞依が頂点に立つなど、世界レベルの大会になった。ただ、日本スポーツ界の伝統芸ともいえる世界選手権選考に絡む曖昧さも問題になった。
全日本フィギュア
男子シングル
1 宇野昌磨 291・73
2 島田高志郎 252・56
3 友野一希 250・84
4 佐藤駿 249・64
5 山本草太 245・41
6 三浦佳生 242・55
女子シングル
1 坂本花織 233・05
2 三原舞依 219・93
3 島田麻央 202・79
4 中井亜美 201・49
5 千葉百音 200・12
6 吉田陽菜 197・21
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世界選手権選考方法
上記のように決まったフィギュアスケート全日本選手権。しかし、またお家芸ともいえる日本のスポーツ界の釈然としない国際大会の選考基準。男女各3枠の内、今大会の優勝者は自動的に決定。残りは今大会の2、3位やグランプリファイナル上位2人、その他国際スケート連盟公認のシーズン最高得点の上位3人などが選考対象。なぜ、いつも何の競技でもこんな回りくどい選考にするのだろうかと考えてしまうのは私だけだろうか……。
過去には陸上のマラソンや水泳などで選考方法が問題になり、スポーツ裁判所に持ち込まれる騒動もあった。シンプルに最も大事な一つの大会に照準を合わせて、その大会の成績で決めた方が選手も納得する上にファンもスッキリすると思うのだが……。結局、各競技の協会や連盟の理事などが自分達の決定権を行使したいが為のルールにしか思えない。これでは実績上位の選手は今大会の成績が奮わなくても必ず選考される不公平なルールとなる。
今大会男子シングルでも2位の島田高志郎が選考に漏れたばかりか、補欠の2番手。これで公正な選考方法と言えるのだろうか。連盟などの上層部としては実績上位の選手を国際大会に送り込みたいのだろうが、選手全員が照準を合わせる最上位の大会にピークを持ってこられない選手が、本番の一発勝負で勝てるとは思えない。スポーツは公正な選考が原則。今後は各競技でもシンプルな選考方法で、禍根を残さないように願いたい。
世界選手権展望
昨今のフィギュアスケート・シングルでは日本勢の活躍が著しい。グランプリシリーズ各大会で男女共に上位を占め、ファイナルも男子は宇野昌磨、山本草太が金銀。佐藤駿、三浦佳生の若手が4、5位とほぼ上位独占状態。北京オリンピック金メダリストで世界選手権3連覇のアメリカの絶対王者ネイサン・チェンは、イェール大学に復学で今後の競技生活は未定。その他、ヨーロッパや北米に宇野昌磨を脅かす存在は見られない。世界選手権でも男子シングルは日本選手の活躍が見られるはず。
一方の女子シングルはロシア勢の不在が世界の勢力図に与えた影響が余りにも大きい。こちらも三原舞依のグランプリシリーズ連勝をはじめ、各大会に日本選手の活躍が目立ち、参加選手は男子4名には劣るものの女子も3選手。結果は三原舞依が逆転の初優勝。前半首位の坂本花織はミスが続いて5位ながら、渡辺倫果が4位と健闘。全日本選手権の得点からしても坂本、三原は優勝が狙えるレベル。こちらも男子同様に活躍が期待される。
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