活躍している割にはメダルが少ないと思っていたが、そろそろ日本選手も波に乗りそうな気がする。昨日のフィギュア男子で羽生結弦は敗れたが、鍵山優真と宇野昌磨が銀メダルと銅メダル獲得。更にスノーボードHP女子で富田せなが銅メダル。そして今日のスノーボードHP男子には平野歩夢を筆頭に有力4選手が登場。金銀銅独占も夢ではない強力布陣で祝日を盛り上げてくれるはず。普段はあんまり目にする事もないスノーボードとか、フリースタイルスキーとかが今は熱い。今までのオリンピック競技と違って、勝利史上主義よりもパフォーマンスを披露して、お互いをリスペクトし讃え合う姿勢が観てて気持ち良い。これからは、こんな競技が主流になって行きそうな予感がする。
2月10日
銀 フィギュアスケート男子 鍵山優真
銅 ” ” ” 宇野昌磨
銅 スノーボードハーフパイプ女子 富田せな
2月10日現在 金1銀2銅4
五輪に新星・鍵山優真
緊張とは無縁のように涼しい表情で次々とジャンプを降りていく鍵山優真。冒頭の4回転サルコーをピタリと決めて9人中5人のジャッジから5点満点の評価を得ると、次の4回転ループでは手をついて回転不足となり、出来栄えの減点を取られている。しかし、ここからが鍵山の真骨頂。並みの18歳なら自分を見失ってしまうところだが、最高難度レベル4のステップやスビンを次々とこなしていく。
2大会連続五輪出場の父、鍵山正和をコーチに親子で歩んできたオリンピックへの道のり。「悔いの残らないように、自分がやりたい演技してこい」と送り出され、父譲りの滑らかなスケーティングで滑り終えると、はにかんだようなガッツポーズで喜びを表した。「チェン選手や羽生選手や宇野選手みたいに演技やステップでも評価される選手になりたい」と言う鍵山。完成された時はどんな選手になっているのか、楽しみは尽きない。
終わり無き挑戦・宇野昌磨
「一年前はここに立てる選手ではなかった。今日の演技がどうであれ、この順位は4年間の成果だと思う、素直に嬉しい」と語った宇野昌磨。その言葉通り、冒頭の4回転ループこそ流れるように決めたが、サルコーが回転不足て両足着氷。更に、フリップでは転倒。その上、演技後半の3連続ジャンプでも回転が抜けるなど、「たくさんミスが出てしまった」とギリギリの演技。
しかし、それらのミスを補ったのは持ち前の優れた表現力と、貫いた攻めの姿勢。元世界王者のステファン・ランビエル氏をコーチに迎え、世界のトップを目指すと誓った宇野。「今の練習を数年続ければ、間違いなくチェンと同じ位置で戦う事も可能」と4種類の4回転ジャンプ5本という最高難度の構成を選んだ。「僕のスケート人生はまだまだ続く」と、ここから更なる高みを目指して宇野の挑戦はまだまだ続く。
トピック(羽生結弦)
やはり、無理だった4回転半。しかし、2大会連続金メダルの羽生結弦にとっては、ある意味3連覇よりも優先して挑んだ4回転半。成功はしなかったけど、「4回転半挑戦」と認定された。最終的に8位と出遅れたショートから巻き返したが、4着が精一杯。それでも、「全部出し切ったというのが正直な気持ち。あれが僕の全て」と完全燃焼。今後の事は分からないが、その表情は達成感に満ちていた。
今日、明日の見所
第8日(11日)は、何と言っても平野歩夢を筆頭に4選手が決勝に進んだスノーボードHP。2大会連続銀メダルの平野の三度目の正直なるか。また、複数のメダル獲得の可能性もある。更にはジャンプノーマルヒルで金メダル獲得の小林陵侑が二冠に挑む、ラージヒル予選が行われる。決勝進出はまず大丈夫だろうが、混合団体のように何があるか分からないのがオリンピック。無事に飛んで欲しい。
午前中から行われたスノーボードHP男子は、期待通りに平野歩夢が圧巻の滑走で金メダルを獲得しました。
第9日目(12日)は、日本が連覇を狙うスピードスケート女子団体追い抜きが始まる。更に、スピードスケート男子500メートル予選。そして、夜には前日の予選通過者によるスキージャンプ男子ラージヒル決勝で、小林陵侑をはじめ日本選手がメダルを狙って大ジャンプを見せる。