年末から年始にかけて、これでもかと続くマラソンと駅伝。普段は野球やサッカーに隠れてマイナーな陸上長距離走
お屠蘇気分で観るには息も絶え絶えになりながら渡すタスキのシーンは如何にも日本人好みで、人気になるのも頷ける
日本長距離走の最速の猛者達が集う全日本実業団対抗駅伝と、わざとらしく倒れこむのが定番の箱根駅伝のリポート
本命が実力発揮トヨタ自動車
1 トヨタ自動車
2 ホンダ
3 旭化成
4 黒崎播磨
5 三菱重工
6 花王
7 NTT西日本
8 GMO
9 富士通
10 中国電力
今大会での引退を発表した1区35歳の大石港与の最後の駅伝に奮起したトヨタ自動車。その大石が4秒差で襷を繋ぐと、2区最長区間は日本選手権10000メートルで歴代2位快走の太田智樹が区間賞の走りでトップ浮上。
3区は注目の新人田澤廉が苦しみながらもトップを守り、5区田中秀幸、6区西山雄介の実績組が区間賞でリードを広げる。最終7区はマラソン代表経験のある服部勇馬が余裕を持ってゴール。8年振り4度目の優勝。
3連覇を狙ったホンダも2分9秒差の2位となったが、区間賞3人のトヨタ自動車に対して区間賞ゼロと力の差を見せ付けられた。ただ、最強留学生と言われたイェゴン・ヴィンセントをはじめ実力者が揃うので巻き返しに期待。
他では1区で高卒新人の長嶋幸宝の転倒で出遅れながら、日本人選手だけで3位に追い込んだ旭化成。久し振りに存在感を見せた黒崎播磨、6位入賞の花王、大迫傑が見せ場を作ったGMO等が印象に残った。
意外な強さ発揮の青山学院大
1 青山学院大
2 駒沢大
3 城西大
4 東洋大
5 國學院大
6 法政大
7 早稲田大
8 創価大
9 帝京大
10 大東文化大
全日本実業団対抗駅伝と同じような内容で、3区で本命の駒沢大を抜き去るとほぼ独走態勢の青山学院大。1区で35秒差の9位と出遅れも、2、3区の駒沢大のWエース鈴木芽吹、佐藤圭汰を相手に黒田朝日、太田蒼生が区間賞で逆転。
その後は全ての区間で駒沢大の選手を上回る完勝で大会新記録で2年振り7度目の優勝。ただ、2年連続3冠を狙った駒沢に対して、あくまでも箱根に的を絞った青山学院大の作戦勝ち。今後も2校の争いは続くはず。
ここからは余談になるが、今年100回目を記念して予選会で全国の大学の参加を認めた関東学生陸上競技連盟。しかし、来年から参加資格を同連盟所属に限定すると発表。理由として、加盟校優先と交通規制を挙げた。
相変わらず、視野の狭い閉鎖的な考えとしか言えない。高校では関東より地方のレベルが圧倒的に高い。それを無視しての決定は、改めて箱根駅伝はただの関東限定のローカル大会に過ぎない事を自ら認めた愚策。