ただでさえ、暑苦しくて眠れない夜が続いているのに、パリオリンピックが始まってなおさらヒートアップ
結果が気になって夜更かし、徹夜、早起きと色々なスタイルで楽しんでいる事と思う
今回のスポーツア・ラ・カルトは、10回目の優勝を飾った照ノ富士、柔道、スケートボードのリポート
照ノ富士、念願の10度目V
正直なところ、場所前は稽古もままならないような横綱照ノ富士の優勝は考えられなかった。初日苦しんで勝った一番を見て、千秋楽までもつだろうかという不安がよぎった。
しかし、白星が何よりの良薬とは横綱も同じようで、次の日からはガラッと相撲が変わった。これまでの照ノ富士はどちらかというと、相手を受け止め、捕まえて白星を手にするパターン。
それが2日目から鋭い出足で圧倒し、相手に付け入る隙を与えない速攻相撲。それは裏を返せば長引く取り口に不安があるからと思っていたが、6日目で早くも2差をつける独走態勢。10日目まで白星を連ねた。
終盤戦、疲れからか2勝3敗と崩れかけて決定戦に持ち込まれる。相手は前日金星を与えた平幕の隆の勝。もろ差しを許す不利な展開から、巻き替えて右四つ左上手で寄り切り。新たな時代を築けるか、他の力士の奮起か、来場所に注目。
柔道、角田夏実、阿部一二三
パリオリンピックでも大量のメダル獲得が期待される柔道。その先陣を切ったのが女子48キロ級の角田夏実。52キロ級を主戦場としていたが、東京五輪金メダルの阿部詩、志々目愛などの強敵が多数。2019年48キロ級に階級変更。
21年から世界選手権3連覇など、外国人選手に無敗。巴投げ、内股、寝技などを得意として臨んだパリ五輪。必殺の巴投げなどを駆使して、準決勝こそ苦戦したが決勝までの5試合を勝ち抜き、31歳11ケ月での金メダル獲得。
2021年東京五輪で妹の阿部詩と共に史上初の兄妹同時優勝を成し遂げた阿部一二三。オリンピック連覇の前に壁となるライバル丸山城志郎との対決。2022、23年の世界選手権決勝で勝って、23年6月にはパリ五輪代表内定。
その後もグランドスラム連勝など無敵の快進撃で迎えたパリオリンピック。同日の52キロ級で妹がまさかの2回戦敗退。「妹の分まで」と、4試合中3試合を一本勝ちという圧倒的な強さで日本人8人目のオリンピック2連覇を達成。
スケボー、吉沢恋、赤間凛音
またまた10代前半のメダル獲得が期待されたスケートボード女子ストリート。世界ランキング1位吉沢恋、2位赤間凛音、そして、東京五輪同種目銅メダリスト中山楓奈という強力布陣で臨んだ日本。
東京五輪で金メダル獲得の西矢椛が日本代表から外れる程のハイレベル。過去6回ある、1972年冬季五輪の70メートル級ジャンプ以来52年振りの金銀銅独占も夢ではないメンバー。実際、決勝前半のランまでは1、2、3位独占。
後半のベストトリックでは、前半1位の赤間が1回目で92.62。2回目も84点台でトップを維持。しかし、吉沢は4回目96.49の高得点。最後の5回目も89点超を出して逆転優勝。中山は5回全て失敗で7位に後退。
14歳の吉沢恋は3年前の東京で西矢椛が金を獲得した得意技ビッグスピンボードスライドを既に習得。「自分にもチャンスがあるのでは……」とパリを目指したという。ハイレベルの日本女子。金メダルの系譜は更に受け継がれるのか……。