
どんな名選手でも順風満帆でキャリアを全うするのは難しい
必ず訪れる試練、苦節の時期を乗り越えて再び煌めきを放つ
先週、苦難を乗り越えて輝きを取り戻した2人のリポート
ついに達成!日米通算200勝
今さらマー君こと田中将大のプロフィールを紹介する必要もないので省略。2007年楽天の新人として11勝7敗のデビュー。翌年、オリンピック出場による試合数減で9勝に終わったが、その後は楽天、ヤンキースで11年連続2桁勝利。
ヤンキース最終年の2020年は新型コロナウイルスの影響と、自身の怪我等で登板機会が激減してキャリア最少の3勝止まり。翌年楽天に復帰したが打線の援護なく4勝、9勝、7勝。そして、2024年は自身初めての勝ち星無しでシーズンを終えた。
その時点で日米通算197勝。今年、楽天から巨人へ移籍して、名伯楽の投手コーチ久保康生に師事。【魔改造】の異名をとる久保コーチの元、フオーム改造に取り組み4月に移籍初勝利を挙げたが、その後二軍落ち。そして、9月30日のヤクルト戦で好投し、ついに日米通算200勝達成。
田中の力からしたら巨人へ来る前の楽天の4年間で200勝は達成出来たはず。しかし、好投しても援護のない打線で目算が狂う。久保コーチの元でまだ数ヶ月、今秋から来春にかけてのシーズンオフを経てニュー田中将大が完成するはず。200勝は通過点として更なる高みを目指して欲しい。
苦節9年!日本女子OP初制覇
万人が知る田中将大と違って、堀琴音はゴルフに興味ある人でなければ知らないかもしれない。しかし、ジュニア時代から頭角を現し、高校生の時にナショナルチーム入りして国際大会で優勝する程の実力者。
2014年プロテスト合格し、翌年本格的にプロツアーに参戦。初勝利はならなかったが安定した成績を残し、史上6人目の10代でのシード権獲得。そして、2016年日本女子オープンで首位で迎えた最終日17番ホールで逆転を許し、そのまま当時アマチュアの畑岡奈紗に屈辱の逆転負け。
それがトラウマとなったのか、その後ベスト10の常連になりながら勝てないまま月日が流れ、シード落ちも経験。2021ツアー初勝利、翌年2勝目を挙げるが黄金世代といわれる後輩に話題をさらわれて現在に至っている。長尺パターに変え、フオームも変えニュー堀として参戦した今大会。
9年前失速した時と少し状況は違うが、最終日首位で迎えた今大会。同じ組で優勝を争うのは15歳のアマチュア。しかし、9年の時を超えて成熟した堀は、プレーに集中し泰然として動じない。勝負所で突き放し、2位に2打差で念願のメジャー初勝利。一皮むけた堀の今後に注目したい。