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マラソン界に新星か⁉️山下一貴歴代3位の好走。しかし、世界の壁は…

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春の陽気と共にスポーツが花盛り。プロ野球のオープン戦が始まり、今年はWBCで更に盛り上がっている。Jリーグも開幕した上に来週からは大相撲春場所、更に選抜高校野球大会と目白押し。『スポーツの秋』と言われるが、むしろ寒い冬を乗り越えた今こそスポーツに最適な季節と言えなくもない

そんな時に迎えた東京マラソン2023男子。来年のパリオリンピックを目指してMGCを目指す選手も多い上に、大迫傑、設楽悠太、井上大仁……などの歴代ベスト10のタイムを持つ強豪が参戦したハイレベル。日本記録更新も期待されたが、それらの強豪を抑えて日本人で真っ先にテープを切ったのは25歳の山下一貴。パリオリンピックへの展望まじえて東京マラソン振り返っみる

東京マラソン2023(男子)

2023東京マラソン(男子)順位

 1 ゲルミサ(エチオピア)2:05:22

 2 エサ  (エチオピア)2:05:22

 3 キプルト(ケニア)  2:05:25

 4 ゲタウェウケペデ   2:05:32

 5 レビンス(カナダ)  2:05:36

 6 アバテ (エチオピア)2:05:38

 7 山下一貴(三菱重工) 2:05:51

 8 其田健也(JR東日本)2:05:59

 9 大迫傑 (NiKe) 2:06:13

10 井上大仁(三菱重工) 2:07:09

  (ゲタウェウケペデはエチオピア)

最初から速いペースで進んだが、日本人は設楽悠太をはじめとして積極的に大集団の前方でレースを運ぶ。5キロ通過14分43秒と順調なペースの中、注目の大迫傑はいつものように集団後方。10キロを29分22秒と2時間03分台という高速レースながら、大集団で好記録への期待がかかる。更に15キロ、20キロを過ぎても大集団の中に日本人が20人近く。ハーフ通過は1時間02分08秒と快記録への流れは変わらない

折り返しの24キロ地点門前仲町でも20人近い大集団で日本記録更新ペース。エントリー中最速の持ちタイムのシサイ・レマや設楽悠太は既に脱落。集団が徐々に縦長になってトップ集団には大迫、井上大仁、の他に其田健也らの姿が見える。ややペースが落ちて30キロでペースメーカーか外れると井上が先頭に立つ。更にチームメイトの山下一貴が井上と並んで集団を引っ張っていく。ペースは上がらす海外勢は単独トップに立った山下の後ろでスパートのチャンスを待つ

37キロを過ぎて海外勢が満を持してスパート。あっという間に先頭は5人に絞られて、山下、大迫、其田の3人が離される。40キロで6人並んでいた海外勢はゴール100メートル手前で3人の争いに。最後はデソ・ゲルミサがエチオピア勢の争いを制して優勝。日本勢は山下がトップの7位。大迫を交わした其田が続いて5分台。大迫は2時間6分13秒で3位。上位6人中、エチオピア勢が4人と圧倒的な強さの中、終盤勇気を持ってトップを走った山下の力走が光った

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世界&日本歴代タイム(男子)

男子マラソン世界歴代10

 1 キプチョゲ(ケニア)  2:01:09

 2 ベケレ  (エチオピア)2:01:41

 3 キプタム (ケニア)  2:01:53

 4 レゲセ  (エチオピア)2:02:48

 5 ゲレメウ (エチオピア)2:02:55

 6 キメット (ケニア)  2:02:57

 6 エキル  (ケニア)  2:02:57

 8 チェベト (ケニア)  2:03:00

 8 ギエイ  (タンザニア)2:03:00

10 チェロノ (ケニア)  2:03:04

男子マラソン日本歴代10

 1 鈴木健吾(富士通)   2:04:56

 2 大迫傑 (NiKe)  2:05:29

 3 山下一貴(三菱重工)  2:05:51

 4 其田健也(JR東日本) 2:05:59

 5 設楽悠太(Honda) 2:06:11

 6 高岡寿成(カネボウ)  2:06:16

 7 土方英和(Honda) 2:06:26

 8 細谷恭平(黒崎播磨)  2:06:35

 9 高久龍 (ヤクルト)  2:06:45

 9 西山和弥(トヨタ自)  2:06:45

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パリ五輪メダル可能性(男子)

今大会は日本選手がアフリカ勢に伍して25キロ以上にわたって大集団を組んでレースを運ぶ積極性が見られた。しかも、山下、其田、大迫、井上などはペースメーカーが外れる30キロ地点まで健闘。特に、30キロ地点で一気に先頭に立った井上。更に井上と同チームで一緒に先頭を引っ張った山下の勇気あるレース運びは称賛に値する。ただ、ペースが落ちた中でじっと脚をためた海外勢の目標になってしまった感は否めない

オリンピックでメダルを狙うなら、タイムより勝負優先でじっと我慢する姿勢も必要。ただ、それでも最後の勝負所で海外勢のスパートに付いていく力が足りないのは明らか。しかも、今大会の海外勢には歴代タイムベスト10傑も、東京オリンピックメダリストも不在。本番となるパリオリンピックには超一流選手が出場してくるのが必至。日本選手がメダル争いに絡むとしたら、日本の夏のように高い気温になった時。ただ、午前8時開始では高温にはならず絶対的スピードの違いで、日本選手のメダル獲得の可能性は低いだろう

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