史上最多７度の順延を繰り返した第１０３回全国高校野球大会。その順延も一日全試合が対象になったり、第１試合目だけ、はたまた第１試合と第２試合が順延で、第３、４試合は行うとか迷走気味。昨日の日曜日は珍しくまともに４試合行われたが、週末観戦の人達には一体何回戦なのか、今何チーム残っているのか分からなかった人も多いと思う。
実は、今日８月２３日は１０日目に当たるらしい。８月９日が開会の予定日だったから実質的には１５日目のはずだが、全試合順延の場合は日数にカウントされないが、一試合でも行われた日はカウントされる為に分かりにくい日数になっている。そして、今日は大阪桐蔭－近江の２回戦最後のカード一試合のみで、その他に女子硬式野球の決勝戦が行われる。
２回戦で散った１５７キロ風間
秋田・ノースアジア大明桜１５７キロ右腕風間球打が８月２２日２回戦対明徳義塾戦で先発したが、６回でマウンドを降りてチームも敗退した。雨でノーゲームになった一回戦帯広農業戦も含めて計３試合に先発し、最速１５２キロを計時した風間の夏が終わった。今後は『退部届』を提出してプロでの活躍を目指す。
今大会は天候不良で順延や開始時刻の繰り下げや、ノーゲーム等で特に投手にとっては調整の難しい日が続いた。風間は８月１２日の第一試合帯広農戦で、４回をノーヒットに抑えながら雨でノーゲーム。再試合となった１５日の第一試合も雨で開始が３時間遅れ、２２日の明徳義塾戦が中６日になる等、雨に祟られ続けた。
明徳義塾戦は１５０キロ台を連発したが、序盤からファウルで粘られて球数が多くなって苦しい展開。それでも、６回を６安打２失点奪三振８と好投したが、打線が５回の無死満塁のチャンスを逃したのが大きく２回戦で敗退。「真っ直ぐだけでは勝てない事を学びました。変化球の精度を上げられるように頑張っていきたい」と前を向いた。
２試合連続完封で注目の渡辺翔
同じ東北の投手としては秋田・ノースアジア大明桜の１５７キロ右腕風間球打が注目されていて、盛岡大付は強打のイメージが強かった。渡辺翔真も本格的に先発を任されるようになったのは今年の春から。今夏の岩手県大会では全５試合中４試合に登板して２８回１４失点と、特に注目される成績ではなかった。
ただ、埼玉県狭山市立狭山台中学校時代には武蔵狭山ボーイズに所属。２０１８ボーイズ選手権準優勝、ジャイアンツカップペスト８と活躍してボーイズ関東選抜などの実績がある。しかし、昨年までは投手よりセンターを守り打者としての活躍が目立っていた。投打に期待出来る二刀流といったところか。
しかし、プロが注目する松本、金子、小針などの好調な打撃陣の援護を受けて一回戦の鹿島学園戦５安打完封。２２日の沖縄尚学戦は１４０キロ前後の直球とコーナーに投げ分ける鋭い変化球で９奪三振。８回二死まで一人のランナーも出さない完全試合ペース。1安打１四球で２試合連載完封と、タレント集団の打撃陣を差し置いて一気に主役に踊り出た。
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