今日2月16日沖縄県国頭村の「かいぎんスタジアム国頭」で行われた日本ハムの1、2軍合同の紅白戦。
立ち見も出る程の村の人口の半分近くの2300人のファンが全国から駆けつけ、甲子園決勝戦の再現となった吉田輝星と柿木蓮の先発対決に沸いた。
ライバル対決に吉田は、「あの時はボロボロだった。今回はしっかり抑えたい」
一方の柿木は、「何事にも負けないようにしっかり意識していきたい」と、ライバル心を隠さない。
白組先発はドラフト1位の吉田輝星。いきなり昨年の盗塁王・西川遥輝と対戦し二塁ゴロで仕留める無難な立ち上がりを見せる。
しかし、2番大田泰示に甘く入った直球をバックスクリーンに運ばれるプロ入り初のホームランを浴びる洗礼を受けた。
続く3番は昨年のドラフト1位の先輩清宮幸太郎。ファンにとっては堪らない対決を迎えて、球場は興奮の坩堝と化したが、初球から打って出た清宮を二塁ゴロに抑える。
4番横尾俊建、5番渡邊諒に連続四球の上に暴投で2死2、3塁のピンチを迎えたが、6番鶴岡慎也を低めの直球で空振り三振に切ってスリーアウト。
全29球の半数以上ストレートで押して1回を1本塁打、2四球、1奪三振、1失点で終える。
「制球は今一つでしたが持ち味のストレートで押していけたのは良かった」
「思ったより通用した。真っ直ぐには少し自信がついた」
と、吉田本人は初登板に納得の表情を浮かべていた。
一方の紅組は甲子園の優勝投手・柿木。
1番浅間大基のバットを折るセンターフライ。続く松本剛は二塁ゴロ。
そして3番は台湾で2年連続4割の強打者・王柏融。これも落ち着いたマウンド捌きで一塁ゴロに仕留める13球三者凡退の満点デビュー。
注目の対決にパリーグのスコアラーも集結。
ソフトバンクの竹口昭憲スコアラーは、「吉田はボールが高めに浮いていた。ただ、しっかり指に掛かった時はいいボールが来ていた」
柿木に対しては、「現状では柿木の方が上。キレの良いボールでコントロールも良く、すぐにも使えそうだ」と、警戒していた。
栗山英樹監督は吉田の投球に関して、「変にまとまるより、あれくらい暴れている方が楽しみ」と、一定の評価をしている。
考えてみれば甲子園で決勝戦を投げた投手同士が同じチームに入ったのだから、日本ハムには贅沢なドラフト会議だったとも言える。
甲子園優勝投手になりながらドラフト5位の柿木。一方は決勝戦で滅多打ちに遭いながらドラフト1位に指名された吉田。
普段は仲の良いまだ18歳の若者だが、奇しき縁で同じチームに入団した二人のライバル物語は今始まったばかりだ。