
好調阪神が首位固めのモードに入りつつあるようだ
イジイジした岡田彰布から、藤川球児への監督交代
ライバルチームの主力が怪我やスランプによる自滅
原因は色々あるが、何といっても投打の主力の充実
その中で、最も大きな要因の佐藤輝明ブレイクのリポート
プロ入り前
兵庫県西宮市生まれの佐藤輝明。小学1年生から野球を始めたが、高校での甲子園出場も無くほぼ無名。その後、練習に参加した近畿大学で監督の目に留まり進学。
近大では1年春から外野手としてレギュラーに定着。その後、三塁手としてベストナイン、MVPを受賞する関西学生野球リーグを代表するスラッガーに成長。
日米大学野球選手権の日本代表にも選出されるようになり、知名度もアップ。持ち前の長打力でリーグ戦の通算本塁打記録を更新し、2020年ドラフト会議で4球団からの指名を受け阪神に入団。
プロ入り後
プロ入り一年目から開幕スタメン入りを果たして、2戦目にプロ初安打をホームランで記録。その後も長打力を発揮してオールスターにも選出され、そこでもホームランを放った。
結局、一年目は田淵幸一の球団新人最多本塁打記録を更新する23本を記録。広い甲子園球場をホームにしてのこの記録は快挙。ただ、ホームランバッターに有りがちな粗さも目立つ。三振と連続無安打記録を更新するムラが課題となった。
2年目からも活躍を見せて3年連続20本塁打以上をマーク。三振も一年目の173から130台と減り安定感も出てくる。打率も2年目以降は2割6分台と、一定の数字は残せるようになってきた。
ただ、3年目の昨年は三塁手としての守備面での綻びが見られて、岡田彰布監督に疎まれて二軍落ちも経験した。そのせいで本塁打は16本に終わり、新人からの20本以上本塁打は途切れてしまった。
大ブレイク
監督が交代して心機一転の今年は、オープン戦から好調を維持。フルスイングには変わりはないが、肩から力が抜けた感じ。特に、センター方向への打球に伸びが増したように感じる。
シーズン当初は3番だったが、森下翔太が一時不調に陥り、代わりに4番に定着。このところ、森下、佐藤、大山悠輔のクリーンアップが揃って好調で阪神首位の原動力となっている。
今年は昨年までのスランプはなく、ホームランが出ない時でもヒットはほぼ切れ目なく続いている。更に、ここぞという時に打てる頼もしさも出てきた。
現在、打率は2割8分4厘でリーグ8位。打点45と本塁打17はトップ。打率はやや苦しいが、今の充実ぶりなら三冠王も夢ではない。
佐藤はプロ入り当初からメジャー指向がある。高年棒の魅力もあり、猫も杓子もアメリカに渡ってしまう選手が多い。しかし、成功が多いのは圧倒的に投手。日本に残って、数々の記録を狙う絶対的な存在の選手になる道も考えて欲しい。