
3月末に始まったプロ野球も三分の一を経過し、50試合以上を消化
セパ共に有力とみられたチームを抑えて、昨年5、6位に終わったチームが首位
セ・リーグ首位を走るヤクルトと、パ・リーグ首位の西武にスポットライトを当ててみた
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最下位からVをヤクルト
驚いた。今年は投打共に充実の阪神がペナントレースを終始リードし、圧勝で優勝すると思っていた。例えヤクルトが首位を快走していても、阪神が抜け出すと思っていたが5月を終わって首位堅持。1ゲーム差ではあるが快挙ともいえる。プロ同士で失礼だがジャイアントキリングなるのか。
好調の要因の一つは今年から指揮を執る池山隆寛監督にある。現在60歳になる池山は現役時代にタイトルは獲得していないが、広沢克己とクリーンアップの一角を占めヤクルトを牽引。引退後は楽天とヤクルトのコーチを務めたが、監督の経験はなく、59歳の新監督として話題になった。
その池山監督を支えるのは恩師でもある故野村克也氏の教え。現役時代だけでなく、楽天時代にも野村の下でコーチを務め、薫陶を受けた秘蔵っ子ともいえる。当時、弱小球団だったヤクルトで三度の日本一に輝いた野村監督と重なる。現に公私共にノムラの教えを実践しているフシがある。
ヤクルトの上位打線をみても外国人以外は知らない選手も多いと思う。もちろん、新人ではないがレギュラーだったかなと首を捻る選手も多い。特徴は犠打の圧倒的な少なさで、強打の阪神37に対してリーグ最少の7。打率、打点、本塁打などは全て3、4位なので弱小とは言えない。
しかし、長打というイメージがないヤクルトでこの犠打の少なさは異常。池山の方針で基本的には打って攻略と徹底している。将来の主軸として育てる為に、若手にどんどん振らせるという方針。しかし、若いレギュラー陣が年間を通して働けるかは不明。調子落ちした時踏ん張れるかが鍵。
投手陣にも不安があったが先発陣はリーグトップ7勝の山野太一、5勝の高梨裕稔、勝ち星には恵まれないがエース候補の奥川恭伸などを中心にチーム防御率はリーグ2位。抑えは新守護神キハダがリーグ2位の14セーブ。投打共に快調だが、春の珍事で終わるか下剋上なるか目が離せない。
5位から優勝を狙う西武
セ・リーグがヤクルトなら、パ・リーグを牽引するのが昨年5位の西武。この3年間5位、6位、5位と低迷が続き、チーム生え抜きの西口文也監督になって2年目。かっての1980年代から90年代にかけての黄金期を知らないファンも多いだろうが、20年間で13回のリーグ制覇。
その西武の不調の原因は相次いだ主力選手の移籍。この10年間で、岸孝之投手、炭谷銀仁朗捕手、浅村栄斗内野手、秋山翔吾外野手、森友哉捕手、山川穂高内野手、今井達也投手などの錚々たる選手がフリーエージェントや、ポスティングによる海外移籍などで退団している。
一昔前なら同じチームで現役を終える選手が圧倒的に多かったが、現在は好条件の提示で移籍する選手が後を絶たない状況。それはどのチームも同じだが、それにしても、西武の一流選手の相次ぐ移籍は異常と言っても過言ではない。
それも海外移籍ならともかく、国内への移籍の場合は西武にとってマイナスな上に、相手にとってはプラス。このアナジー効果はとてつもなく大き過ぎるはず。かくして、投打共に小粒になった印象は否めない。その結果、昨年度のリーグタイトル獲得者は最多セーブの平良海馬投手一人。
このような状況の中でトップを走る西武。投手陣では今井は抜けたけど、今年先発に回った平良、隅田知一郎、高橋光成を中心に5人ぐらいは揃っている。抑えは平良に代わって新人の左腕岩城颯空が、リーグ2位タイの16セーブで新守護神に成長。投手に関しては懸念材料は少ない。
打撃では、5月に復帰してから好調が続くネビン、ここに来て登り調子のカナリオの両外国人の活躍。腰痛で調子落ちしたが6番固定の平沢大河、そして若手の渡部聖弥、滝澤夏央らの躍動。これらが噛み合って首位浮上に繋がった。更に移籍の桑原将志も復帰し、質量共に不足はなし。
常識的にはセ・リーグは阪神、パ・リーグはソフトバンクの力が一枚上。しかし、勢いに乗るヤクルトと西武が最終盤まで優勝争いに持ち込めるか注目したい。
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