ヤンキース田中将大が6月11日(日本時間12日)のメッツ戦(ヤンキースタジアム)に先発。6回2/3を投げて7安打7奪三振5失点(自責点4)と本調子ではなかったが、5月13日のレイズ戦以来1ヶ月ぶりの白星を手にした。
● 今シーズンここまでの田中
約1ヶ月ぶりの白星を挙げた田中将大。6月11日のメッツ戦は1、2回は三者凡退に退ける最高のスタートとなったが、先制点をもらった直後の3回表に味方のエラーと安打で無死一塁、三塁の後、9番レガレスに適時内野安打。更にマクニールに初球のスプリットを右中間スタンドに運ばれて勝ち越される。しかし、2ー4とリードされた4回裏に味方打線が奮起。ウルシェラとボイトのホームランで逆転。
6回に更に1点失ったものの、7回途中までリードを保ってマウンドを降りた。結局、6回2/3(101球)を投げて、被安打7、奪三振7、失点5(自責点4)防御率3.58となった。
しかし、地元メディアは「今季のタナカはスプリットの精度に欠けている。決め球のスプリットで打たれたホームランは6本目。昨季は5本、一昨年は自身のキャリアで最多の8本打たれている」「タナカのスプリットの不調が長ければ長い程復活する可能性が低くなる。決め球を失うともう同じ投手ではない」と、厳しい評価をしている。
今シーズンの田中は3月29日開幕戦を失点2(自責点1)の好投で白星発進したが、その後1失点の好投を続けても救援投手が打たれて白星につながらなかったリ、クオリティースタートを見せても打線の援護がなかったリと流れが悪くなかなか勝てない試合が続いた。
4月、5月共に6試合ずつ投げて自責点は11、13だから悪くはなかった。が、その反面味方打線が得点した直後に逆転を許したりして、巡り合わせが悪くてなかなか勝ちに恵まれなかった。その結果、6月の中旬になるのにこれまで負けが先行して3勝5敗と、防御率の割りには苦しい星勘定になっている。
● 今シーズンこれからの田中
メディアは厳しい評価を下しているが、ヤンキースのアーロン•ブーン監督は「左右を問わずにスライダーがいい武器であり続けている」と、スプリットの調子が上がらない中でもローテーションを守り続ける田中をエースとして称賛している。
もともと、日本で活躍していた時からスライダーの切れには定評があった田中。メジャーではそれと並ぶ武器がスプリット。2017年(.225)、2018年(.210)という被打率を誇っていたが、今年はここまで.326と信じられない数字になっている。メディアは田中のスプリットについて、「タナカのスプリットは今シーズン、落ちないで横滑りしていて上手く操る事が出来ていない」と、勝負球であるスプリットが精度に欠けていると指摘している。
ファンとしては、そこまで指摘されると、メジャー移籍した2014年と翌2015年シーズンのように右肘の異常かと心配になるが、今のところ田中にそんな素振りがみられないのでホッとしている。
先程届いた田中のツイッターでは「6月7日に、第2子となる長女が産まれました。母子ともに健康です。産まれた日から数日経ちましたが、既に色々な表情を見せてくれる娘に、夫婦で癒やされています。そして今日、娘が産まれてから最初の登板で約1ヶ月ぶりに勝ち星をあげることができました。これで勢いに乗っていきたいと思います」と、ツイートされている。
また、「1イニングにまとめて失点するケースが続いているので、何とかしないといけない」と、試合終了後にコメントした田中。スライダーと直球のコンビネーションはシーズンを通して安定しているので、決め球のスプリットの精度を上げていけば田中らしい快投が見られそうだ。
第2子が誕生して、その直後の試合で勝利という結果を出した。その勢いで優勝争いを続けているチームに貢献して、秋には最大の目標であるワールドシリーズを制して『コミッショナーズ•トロフィー』を手にして欲しい。
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