まさかの前年最下位チーム同士の対決となった今年の日本シリーズ。ペナントレースも両リーグ共に前年最下位チームが優勝するのは初めてだったが、その両チームがそれぞれクライマックスシリーズを勝ち上がってきたのだから、もうフロックとは言わせない。セ・パ両リーグの代表として心置きなく日本一を目指して欲しい。
このところ、日本シリーズといえばセ・リーグは巨人、広島。パ・リーグはソフトバンクが出場していたイメージがある。実際にヤクルトは6年振りの参戦。オリックスに至っては25年振りの快挙。率直に言って両チームとも必ずしも人気球団とは言えないだけに、盛り上がりに欠けるのではと思ったが、逆に新鮮味があって面白いシリーズになりそう。
ヤーオ投手力は❔
CMシリーズ、奥川恭伸、高橋奎二、原樹理というローテーションで3試合で日本シリーズ進出を決めたヤクルト。シリーズも第1戦、2戦は奥川、高橋の先発が予想されるが、エース小川泰弘は10月29日広島戦を最後にマウンドに上がっていない。しかも、その試合は奥川先発の後、4回からのリリーフで3回投げて負け投手。
シリーズでは、その小川を第3戦の先発に起用するはず。奥川、高橋は勢いに乗っているが、やはり日本シリーズを経験している小川にエースの働きがないと勝ち抜くのは難しい。また、第1戦で奥川がオリックスのエース山本と対戦が濃厚。今や日本のエース的な存在の山本相手に、若さでぶつかる奥川の試合内容がシリーズの行方を決める予感がする。がつぷり四つの堂々たる戦いぶりでチームに勢いを与えなければならない。
オリックスも第1戦2戦の先発はほぼ山本由伸、宮城大弥で間違いなさそう。今季18勝5敗、防御率1.39、6月以降15連勝と圧倒的成績で優勝に貢献した山本。短期決戦の大エースで臨む第一戦の勝敗はシリーズの行方を左右する。勝って当然と思われている一戦だけに、もし落とした場合の衝撃は大きく後を引きそうな気がする。山本には一戦必勝が求められている。
投手に関してはオリックスが上回っている。先発陣では右の山本以上に、前半戦を引っ張った左腕宮城大弥。更に、田嶋大樹、山崎福也とある程度計算出来る投手が揃っている。中継ぎには富山凌雅、ヒギンス、最後は守護神平野佳寿が控えて万全。万が一山本で落としても宮城が控えるという層の厚さはオリックスに分がある。
ヤーオ打撃陣は❔
投手力に関してはオリックスがややリードと思うが、打撃に関しては打率、得点、本塁打ともヤクルトに分がある。塩見泰隆、青木宣親、山田哲人、村上宗隆、サンタナと続く打線は小技あり、長打ありで理想的な布陣。代打陣も左の川端慎吾、宮本丈。右にはオスナも控えている。盗塁70個もオリックスに勝っていて、多彩な攻めも出来る。1、2番が出塁してクリーンアップで返すオーソドックスな野球が出来るのは強味。
一方、打撃に関してはオリックスの不利は否めない。打率、得点、本塁打、全てにおいて数値が劣っている。やはり頼みの綱は吉田正尚、杉本裕太郎、T岡田のクリーンアップだが、シーズン終盤欠場してCMシリーズで復帰したが、本調子に戻っているかが不安な吉田。クリーンアップの前後を固める打者もヤクルト程の怖さはないだけに、吉田の完全復活が鍵を握る。
ズバリ、勝敗は❔
まず最初に不満がある。ペナントレースではセ・パ両リーグとも予告先発が実施されている。ところが、日本シリーズに限っては両チームが合意しない限りは出来ない事になっている。今回もオリックスの中嶋監督は実施を求めたが、故野村監督譲りの策士を気取ってか、ヤクルトの高津監督が応じなかったという。そもそも、シーズン中に実施されているのに日本シリーズだけは取り決めがないというのはNPBの怠慢と言われても仕方ない。
両チーム共に信頼出来る先発は2、3枚というだけに、序盤戦でエース級同士が投げ合って勝った方が有利になるのは自明の理。大方の予想は初戦から山本と奥川の先発だが、それを嫌って奥川を第2戦に回すために予告先発に応じなかったとしたら、その時点でヤクルトは負けたに等しい。第一戦から山本と奥川の先発と予想して、ズバリ4勝2敗か、4勝3敗でヤクルト優勝。仮に奥川を第2戦に回したら、気持ちで負けたヤクルトの優勝はない。
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