プロ野球もほぼ日程の半分を経過して、セ・リーグはヤクルトが独走態勢に入って、巨人、広島、阪神がCS争いという構図になってきた。一方のパ・リーグはソフトバンク、楽天、西武の3チームの上位争いという展開か。これから終盤戦に掛けてますます激しい順位争いになりそう。
一方、個人成績では投高打低には違いないが長打力のある強打者がホームランを連発するなど、これから投手陣に疲労が溜まる夏場に掛けて打撃陣の反撃態勢に向かう可能性もある。そんな中、田中将大、菅野智之という両リーグのエースの不調が気になる。復活はなるのかレポートしてみたい。
田中、菅野の年度成績
田中将大
楽天
2007 11勝7敗 防御率 3.82
2008 9勝7敗1S 3.49
2009 15勝6敗1S 2.33
2010 11勝6敗 2.50
2011 19勝5敗 1.27
2012 10勝4敗 1.87
2013 24勝0敗1S 1.27
ヤンキース
2014 13勝5敗 2.77
2015 12勝7敗 3.51
2016 14勝4敗 3.07
2017 13勝12敗 4.74
2018 12勝6敗 3.75
2019 11勝9敗 4.45
2020 3勝3敗 3.56
楽天
2021 4勝9敗 3.01
2022 4勝7敗 2.92
菅野智之
巨人
2013 13勝6敗 3.12
2014 12勝5敗 2.33
2015 10勝11敗 1.91
2016 9勝6敗 2.01
2017 17勝5敗 1.59
2018 15勝8敗 2.14
2019 11勝6敗 3.89
2020 14勝2敗 1.97
2021 6勝7敗 3.19
2022 6勝5敗 3.18
ネットから簡単に注文できる宅配クリーニング【クリーニングモンスター】
反撃なるのか田中将大
上記の成績を見るまでもなく平成以降の中では屈指の大投手の田中将大。デビュー2年目の2008年に北京オリンピック代表入りで9勝に終わった時と、ヤンキースの最終年となった2020年、練習中の怪我で出遅れた以外は全て2桁勝利。勝率も良く常に勝ち越してチームに貢献していた。特に、東日本大震災の2011年は被災者に勇気を与えると奮闘し19勝。勝利数、勝率、防御率の投手三冠。
そして、伝説となった2014年は24勝0敗で楽天をチーム史上初めてのリーグ優勝と日本一に導いた。満を持して向かったメジャーでも、名門ヤンキースでローテーションの一角を担って6年連続2桁勝利。しかし、新型コロナウイルス感染の影響で、メジャー開幕が遅れた2020年。夏季キャンプ初日にチームメイトの打球が頭部直撃。その後、復帰したが3勝止まり。オフにフリーエージェントとなり、翌年1月古巣の楽天に復帰した。
2021年楽天で再びNPBのキャリアをスタートした田中。しかし、某誌で楽天には西武からの移籍組と生え抜きの楽天組との間での派閥があり、チーム内がしっくりしていないという情報が流れた。実績からして当然田中の開幕投手が予想されたが、「開幕投手は当然狙っている。誰にも譲るつもりはない」という涌井秀章の発言。それが影響したか定かではないが、西武でのキャリアがある石井一久監督はあっさり、涌井の開幕投手を公表。
結局、田中は故障で出遅れ4月に初登坂を果たしたが、とにかく打てない楽天。西武組の浅井栄斗などは田中先発の試合では殆んど快音が聴かれず、チーム揃って田中の好投を見殺し。防御率3.01とまずまずの数字を残しながら4勝9敗。その傾向は今年になっても続き交流戦前までに防御率1点台ながら僅かに4勝止まり。交流戦に入ってからは田中の調子も落ちて6連敗。球速は150キロ半ばと出ているが、変化球の精度が悪く一発に泣くケースが増えている。とにかく、田中自身の復調もだが貧打のバックが奮起しない限り田中の完全復活は難しいだろう。
復活あるのか菅野智之
田中が楽天で無双の24連勝を誇った2013年ドラフト1位で巨人に入団したのが菅野智之。一年目から13勝6敗。惜しくも16勝の小川泰弘(ヤクルト)に新人王は奪われたが、新人特別賞を受賞。また、日本シリーズでは田中と2度投げ合い一度目は敗れたが、第6戦で再び対決。7回2失点の好投でポストシーズンとはいえ、この年田中に唯一の黒星を付けた。
2年目以降、巨人のエースとして2016年の9勝6敗以外は2020年までは全て2桁勝利を達成。この間、最多勝3回、最優秀防御率4回、最高勝率1回など投手部門の主要タイトルを獲得して、セ・リーグのエースに成長。2020年14勝2敗で最多勝と最高勝率を獲得して終えると、ポスティングシステムを申請してメジャー移籍を模索。6球団との交渉を開始したが、コロナウイルスの影響でメジャー球団の財政圧迫などでまとまらず巨人残留。
奇しくも、メジャーから楽天に復帰した田中と共にNPBでの再出発となったが、こちらは田中とは違ってバックに強力打線。当然のように活躍が期待されたが4度にわたる故障による離脱もあり、6勝7敗と自身最低の成績に終わった。その悪い流れは今年も続き、肘の違和感や発熱による登録抹消などがあり、6勝5敗防御率3.18とピリッとしない。強力打線を擁しながら勝ちにつなげられず、先日は首位のヤクルト戦でも5回7失点KO。「ストライクゾーンで勝負出来ていない」と指摘され続けている菅野。
奇しくも、メジャーからの復帰と残留という形で古巣で出直した田中将大と菅野智之。一方は貧打のバックに泣き、勝てない内に歯車が狂った。片方は強力打線を擁しながら精神的なものか勝負に徹し切れないようだ。二人とも9億円と8億円とリーグ最高年俸だけに、結果を残さないと周囲が騒がしくなるのは致し方ないところ。球の威力はあるのだから微妙なコントロールのズレから生じる不振のような気がする。山本由伸や佐々木朗希という若い力が席巻しているが、ビッグネームの2人はまだまだ負ける訳にはいかない。
プロ野球、投手に関する記事は⤵️⤵️でもお読み頂けます