3月30日の日本ハムー楽天戦を皮切りに、翌31日から本格的に開幕した2023年プロ野球。国内のマスコミ等ではWBC優勝を受けてメジャーと共に盛り上がりを見せているようだ。まだ3カードを終えただけだが、チーム成績でいうと連勝連敗の波が激しくて先が読めない展開になっている。また、個人成績でも実績のある選手が極度のスランプに陥っているケースが多々みられる。始まったばかりのチーム、選手事情をピックアップしてみたい。
両リーグの成績と傾向
セ・リーグ
ヤクルト 6勝2敗1分
阪神 5勝2敗1分
DeNA 4勝4敗
広島 4勝4敗
巨人 3勝6敗
中日 2勝6敗
パ・リーグ
ソフトバンク 6勝2敗
ロッテ 5勝3敗
西武 4勝4敗
オリックス 4勝5敗
楽天 3勝5敗
日本ハム 3勝6敗
数年前のロッテや、昨年の阪神みたいな大型連敗はなく、セ・リーグで首位ヤクルトと最下位中日の差が4ゲーム。パ・リーグでは首位ソフトバンクと日本ハムの差が3.5ゲームと想定内の範囲に収まっている。ただ、興味深いのはセ・リーグでは4連敗から4連勝と巻き返したDeNA、広島に対して、3勝1敗と好スタートを切りながら、その後5連敗中の巨人。パ・リーグでは開幕3連敗後、5連勝中と巻き返したロッテ等と極端な現象が続出している点。
今の時点では大きな連勝も連敗もないが、こういう連勝、連敗からペナントレースの流れが変わっていく事が往々にしてある。優勝を狙うには連勝はともかくとして、大きな連敗をしない事が肝心。それには、絶対的なエースの存在が関係してくると思っている。今年はWBC代表の先発投手が開幕シリーズに間に合わなかった。仮に、佐々木朗希が開幕カードに先発していたらロッテの開幕3連敗はなかったかもしれない。結果論ではあるが連敗中のチームに絶好的エースの存在は大きいはず。
セ・リーグでは、パ・リーグに比べて絶対的なエースといわれる投手が少ない気がする。安定しているのは2年連続13勝で勝率トップの阪神青柳晃洋ぐらいか。その点、パ・リーグには2年連続主要タイトル独占の大エース山本由伸、史上最年少完全試合の佐々木朗希、そしてメジャー復帰後打線の援護がなく苦しいシーズンを送ってきたが、今年はスタートから好調の田中将大らがいる。連勝連敗で大きく流れが変わりそうな今シーズン、エースに注目していきたい。
気になる選手ピックアップ
これも、まだスタートしたばかりだから何とも言えないが、両リーグで不振な30代以上の打者が目立つ。3連覇を狙うヤクルトでは41歳の青木宣親、まだ30歳だがWBCでも活躍した山田哲人。共に昨年も低打率の上に、現在1割台なだけに気になる。巨人では現役最多安打の坂本勇人。18打数ノーヒットでスタメン落ちもして、先が案じられたが4月8日の広島戦でホームランを放って危機は回避したか。と思ったら、今度は丸佳浩が1割にも満たない打率でスタメン落ち。巨人には苦労が尽きないようだ……。
パ・リーグにも同様に苦しむ打者がみられる。プロ入り22年目39歳の外野手栗山巧。過去に3割を3度マークし、一昨年2000本安打に到達したが、今年は未だに1安打だけ。若手に取って代わられそうな危機に瀕している。チームにとって最も深刻なのは、元々貧打の楽天。最も頼りになるべき4番浅村栄斗と5番島内宏明が揃って本塁打ゼロで打率1割台。まだ、30代前半だけに年齢によるものとも思えないが……。中日と共に1試合平均得点が1点台では、投手は1点取られたら終わりというプレッシャーを抱えて投げなければならない。この2人に頼るというチーム編成も問題だが、今年も楽天は苦しくなりそう。