昨年と同じ顔合わせになった日本シリーズ。共に2年連続最下位からのリーグ連覇という離れ業だが、昨年の半信半疑状態ではなく今や強豪チーム同士の対決。昨年は6戦中1点差ゲームが5試合、2点差が1試合と正に手に汗握る熱戦のオンパレード。
その傾向は今年も続き、初戦はオリックスの絶対エース山本由伸をヤクルト打線が攻略して5ー3での勝利。第2戦は負けられないオリックスペースで9回表まで3点リード。しかし、土壇場でヤクルト内山壮真の3ランで同点の末に引き分け。今年も熱い戦いが続く日本シリーズのレポート。
第1、2戦の結果
第1戦
オリックス3ー5ヤクルト
第2戦
オリックス3ー3ヤクルト
第1戦は予定通りヤクルト小川泰弘、オリックス山本由伸というエース同士の先発。1回裏にオスナのタイムリー二塁打でヤクルトが先制。2回表にオリックスが紅林弘太郎のタイムリー等ですぐに追い付く。しかし、ヤクルトは3回裏に塩見泰隆、4回裏にはオスナのソロホームランでリード。8回表に1点差に詰め寄られると、その裏には村上宗隆の今大会第1号で突き放し、自慢のリリーフ陣で逃げ切った。
第2戦ヤクルトは予定通りサイスニード、前夜エースで手痛い一敗を喫したオリックスは左腕山崎福也の先発。3回表オリックスは先発山崎福自らの先制打。更に5回表には杉本裕太郞の内野安打で加点。投げては山崎福から3投手がつないで8回までヤクルトを0封。しかし、9回裏無死一塁二塁から代打内山壮真が起死回生の3ランで追い付く。その後は延長12回まで両チーム16投手、5時間の死闘の末に引き分け。
ヤクルトの戦い
第1戦で相手エース山本を打っての勝利はヤクルトにとっては大きい。更に、5回2失点で日本シリーズ初勝利を得た小川。少し安定感に欠けるきらいはあったが、要所を締めて5イニングスでマウンドを降りたのは次回登板につながるはず。残りの4回を1失点で木澤尚文、田口麗斗、清水昇、マクガフで逃げ切れたのは、第2戦の救援陣の好投にも表れ、同点劇に結び付いた。今後も安定した救援陣の存在は先発投手の支えになり、好投に繋がっていくはず。
好調な投手陣に対して、打者の先発組で当たっているのは塩見とオスナの二人だけ。三冠王村上も初戦で一発放ったとはいえ、好調とは言えない状態。更に気掛かりなのは9打数ノーヒットの山田哲人。好守備に阻まれたのもあったが、シーズン中の不調を引き摺っていそうなのが気掛かり。守備にも難があるサンタナも含めて先発の入れ替えや、打順の変更もあるのか注視してみたい。
オリックスの戦い
順風満帆なヤクルト投手陣とは対照的に暗雲垂れ込めたオリックス投手陣。最大の誤算はもちろん山本での敗戦。神宮のマウンドが合わなかったのか立ち投げで不安定な投球内容で4回4失点。その上、左脇腹の異変で5回途中で緊急降板。この後の登板にも影響しそうで気掛かり。更には、経験不足を指摘していた抑えの阿部翔太。3点リードを守り切れずに同点3ランを浴びてしまった。その他の先発、中継ぎ投手は好投しているが要となるべき2投手の誤算は余りにも大きい。立て直しなるのか、首脳陣の手腕が問われる。
一方、吉田正尚一人に頼りっ放しと懸念された打線。クリーンアップ以外は一戦ごとに先発が代わる状況だが、安達了一、中川圭太、杉本、西野真弘などに当たりが出て活況を呈している。ヤクルトの4本に対してまだホームランはゼロだが、足を絡めての攻撃で補おうとする積極性があるのは心強い。安打数ではヤクルトに引けを取ってはいないだけに、ここ一番での勝負強さが求められる事になる。
ここまでまだヤクルトの1勝1分けだが、九分九厘手にしていた勝利を逃しただけにムード的にはオリックスが追い詰められた感じがある。第3戦の先発投手はヤクルト高橋奎二、オリックス宮城大弥と発表された。二人とも勢いがある投手だけに、球場が変わってリスタートとなる第3戦はシリーズの流れを決定づける一戦になるかもしれない。
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