阪神タイガースの低迷が続いている。
リーグ優勝は2005年岡田彰布監督以来13年間無い。日本シリーズに至ってはあのランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布がクリーンアップで活躍した1985年以来、何と33年間もVから見放されています。
それでも、ここ十数年はAクラス争いは演じていたが昨年は最下位。
これだけ不振が続いても日本一と言われる熱い声援でファンは見放していません。
ファンの為にも優勝が欲しいところだが、その鍵を握ると言われている男が藤浪晋太郎投手。197センチの長身とイケメンで人気が高い藤浪だが、こちらも球団同様に不振が続いている。
藤浪は小学一年生から野球を始め、中学時代は大阪泉北ボーイズで142キロを記録し、三年生にはAA世界野球選手権大会の日本代表。
高校は強豪大阪桐蔭高校に進んで1年夏からベンチ入り。2年春からエース。
3年春には大谷翔平に投げ勝ち、春夏連覇を達成した大阪桐蔭の大黒柱。
2012年ドラフト会議では大谷以上の注目を集めて4球団競合の末、阪神タイガースに指名されました。
プロ入り後も1年目から10勝6敗、11勝8敗、14勝7敗と三年連続二桁勝利と活躍し、ライバル大谷は二刀流だったが投手成績では圧勝していた。
エースの座を掴みかけたが、その後は制球難に襲われ7勝11敗、3勝5敗、5勝3敗と伸び悩んでいる。
一方の大谷が2年目以降二刀流で大活躍して、昨年メジャーに移籍してベーブ・ルースの再来ともてはやされているのを忸怩たる思いで眺めていたに違いない。
昨年、5勝3敗ながら一時の不振は脱出して、まだ安定感には欠けるものの藤浪らしさが垣間見えるシーズンでした。
そして完全復活をかける今シーズン。自主トレーニングから順調にこなしてキャンプ初日から入ったブルペンは昨日の5日で早くも3度目。充実しやる気が漲っている。
不振が続いたこの3年は表情が暗かったが、二軍で指導していた矢野新監督は以前から「野球を楽しむこと」と説いていたが、ようやく明るさが見えてきました。
制球難もあってここ数年ノーワインドアップ投法だったが、今年から新人時代のワインドアップ投法に戻しました。
197センチから大きく振りかぶる投球は迫力十分。
5日のブルペンでは77球投げ込んだが、途中から最年長野手の福留孝介外野手が打席に立って藤浪の投球を確かめました。
内角を抉るなど思い切って大ベテランと対峙していたが、チームメイトの藤浪にかける思いが現れたシーンでした。
その後、投球を終えた藤浪はトレーニング中の福留の元を訪れて熱心に打者の目から見た感想等を聞いていました。
2016年8月中日戦で1回8安打7失点KOされ、ヨロヨロで一塁ベースカバーも忘れて大量失点につながった時、2回攻撃中のベンチでわざわざ藤浪を隣に呼んで、「投球以外にもやれる事をしっかりやれ」と説教した福留。
常に外野から自分の投球を見守っていた大先輩。今年こそその思いに報いる為、藤浪はまず11日の紅白戦で今シーズンのベールを脱ぐ。