サッカーW杯に日本中が沸いている。ついこの間までサッカーのルールも知らなかった人も暗い世相を忘れるように『ブラボー、ブラボー』と騒ぎまくっている。オリンピックに次ぐ一大イベントになったのは確かだが、熱しやすく覚めやすい国民性なのかW杯が終わった途端興味もなくなるのが分かっていながら盛り上がっている。
もちろん、ここまで盛り上げてくれたのは森保一監督をはじめ、予選リーグを突破した選手達だが、これがいつまで続くのかと考えると心細くなる。日本はとにかく野球第一という現実があって、プロ野球とJリーグの間には厳然たる格差がある。今回、さらに勝ち進んでその壁を乗り越える第一歩になれるか注目したい。
これまでのW杯成績
W杯そのものは1930年から始まっているが、当初日本は財政難などで参加出来ず、その後第二次世界大戦などもあって最初に予選に参加したのは1954年。韓国に1分1敗で敗退し出場を逃した。アマチュア全盛期の日本にとってW杯よりもオリンピックが優先されていた時期が長く続き、W杯に本腰を入れたのは1980年代。
そして、未だに語り継がれる『ドーハの悲劇』を経て最初にW杯出場権を獲得したのは1998年フランス大会。それ以来連続7大会出場を決めて現在に至っている。その後、1大会おきにベスト16に進出しているが、今大会は初めて2大会連続ベスト16入りを果たし、目標でもあるベスト8進出をかけて12月6日0時からのクロアチア戦に臨む。
これまでのW杯本大会の成績
1998年フランス大会
一次リーグ敗退
2002年韓国・日本共催
ベスト16
2006年ドイツ大会
一次リーグ敗退
2010年南アフリカ大会
ベスト16
2014年ブラジル大会
一次リーグ敗退
2018年ロシア大会
ベスト16
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今大会の躍進の要因
大会前に頻りに『死の組』と喧伝していた日本。しかし、私は決して死の組とは思っていなかった。世界ランキングが必ずしも現状とマッチしているとは思わないが、日本の入っていたE組はスペイン7位、ドイツ11位、日本24位、コスタリカ31位。日本にとってはスペイン、ドイツという過去に優勝経験のある国が相手ではあるが、現在最強のブラジル、ベルギー、アルゼンチン、フランスという国が入ってはいない。
そして、スペインやドイツにとっては楽にベスト16に進出出来るという心積もりがあったはず。実際に日本は試合には勝ったけれど両国には終始押され気味の試合内容。そして、前半でリードした事でスペインにもドイツにも油断があったと思う。更に、開催国カタールの高い気温で後半パフォーマンスが落ちた事が日本に幸いした。
もちろん、条件は全てのチームが同じだから気温云々は言い訳にはならないが、もう一つは新型コロナウイルスの影響による交代枠5への増加。日本はドイツ戦、スペイン戦で後半思い切ったメンバー交代を挙行し、フレッシュな選手達が躍動して逆転に持ち込めた。森保一監督の戦況を冷静に呼んだ好采配が日本躍進の鍵なのは疑いようがない。
どこまで勝ち上がる
決勝トーナメントの相手は前回準優勝のクロアチア。特徴はハイテンポなモダン型の堅守速攻と言われていて、両国の監督共お互いに似たところがあると言っている。世界有数な司令塔モドリッチを中心にコバチッチ、ブロゾビッチの黄金のトライアングルが軸。「スペイン、ドイツに勝ってクロアチアに負けたらちょっともったいない」と久保建英の発言が漏れ聞こえたが、思い上がりも甚だしい。
実力的にも実績面でもクロアチアの方が上。ドイツ、スペイン戦のように挑戦者の気持ちで向かっていかなくては勝てない相手。勢いに乗っている点では日本だが、上位国の常連ほど「一次リーグと決勝トーナメントは別物。ここからはギアを上げて行く」という姿勢が見られる。ベスト8への高い壁がクロアチアと認識しべす。
仮に勝ったとしても準々決勝は世界ランキング1位のブラジル戦が濃厚。更に高くて厚い壁が待ち受けている。大方の予想ではベスト8でも十分というところだろう。しかし、それでは甲子園に出場する弱小県の高校と変わらない。オリンピックでは数々の金メダルを獲得する日本。サッカーでも優勝を狙う意気込みでなくてはベスト8も覚束ないだろう。目標は大きく持って世界の強豪に挑んで欲しい。運命のキックオフは6日0時。
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