
東西2人の横綱中心の優勝争いと予想したが
中日を終わってトップは関脇と平幕力士のみ
横綱豊昇龍は休場、大の里はまさかの2敗目
波瀾の可能性もある大相撲名古屋場所のリポ
3連敗で休場に・豊昇龍
初日に苦手な高安相手に快勝して好スタートの横綱豊昇龍。場所前の稽古でも好調を伝えられていただけに、横綱としての初の賜杯の可能性も取り沙汰されていた。しかし、その後はいいところなく3連敗。
3日間連続で平幕力士に敗れ金星配給。これで、横綱昇進3場所で早くも8個の金星配給となってしまった。そして、5日目から休場。これも3場所で2回目と、横綱の責任を果たしていると言い難い状況。
もちろん原因は豊昇龍にあるが、当ブログでも書いたように低レベルでの横綱昇進を決めた協会幹部にも責任はある。今秋のヨーロッパ巡業で横綱土俵入りを見せたいという理由から、安易に昇進を決定した協会には猛省を促したい。
まだ横綱としての実力を付けていない時、協会の事情で昇進させた幹部。しかし、それは豊昇龍自身にとってもマイナスにしかならない。更にこの状況が続いたらあたら若い才能を潰してしまいかねない。このピンチを豊昇龍は乗り越えられるのか。
安易な引きで窮地大の里
一方、記録づくめの昇進を果たした横綱大の里。こちらは横綱昇進による稽古不足が心配されたが、苦悩する豊昇龍を尻目に新横綱を感じさせない圧倒の取り口で3連勝。『唯一無二』の存在へ好スタートを切ったかに見えた。
勝つ時はポテンシャルを存分に生かした圧勝。しかし、下がったり、縺れたりした時に安易な引き技に頼ってしまう悪癖が出てきた。王鵬、伯桜鵬にその悪癖を付かれて、こちらも2個の金星配給。
この大きな体では相手に一方的に攻められる事はほぼないはず。しかし、その引き技が決まってしまうケースも多いだけに止められないのだろう。だが、それはここ一番で致命的なピンチになる可能性もある。
その悪癖を解消するには、右四つの相撲を磨くしかない。相手によって破壊力満点の突き押しと、四つ相撲を切り替えて取れるように励んで欲しい。その取り口が完成した時に、『唯一無二』の存在に近付けるはず。
優勝は横綱の意地か、波瀾か
1敗 霧島 玉鷲 一山本 草野
2敗 大の里 高安 安青錦 宇良 琴勝峰 御嶽海
一つリードを許しているが本命は大の里。押し切れない時の引きは不安だが、それさえ注意すれば実力は断然上。更に1敗の4人は全て対戦が済んでいない力士。これから自力で挽回可能なので大の里の優位は動かない。
対抗は霧島。元大関の実力者で、首の故障で低迷していたが先場所辺りから状態が良くなっている。力強さに欠ける点は否めないが相撲の巧さには定評があり、大の里に勝てるようなら優勝の可能性は出てくる。
その他の好成績の力士達は、これから上位戦が組まれるので優勝は難しいが、40歳にして力強い玉鷲は優勝経験もあるだけに穴馬的な存在。更に、優勝はともかく新入幕の草野は将来大の里に続く可能性を秘め、注目してみたい。