混戦混戦大混戦、と言いたくなるような大相撲秋場所。場所前から縺れるとは思っていたが、これ程になるとは想像もつかなかった。
特に中日８日目は霧島、貴景勝、豊昇龍の三大関が揃って敗れる大波乱。いや、もう波乱でもなく負けて当たり前の状態。
８日目を終えて１敗は平幕の高安と熱海富士の２人。２敗は関脇若元春と平幕の豪ノ山、妙義竜、剣翔の４人だけ。
権威失墜の大関陣
横綱不在の中、看板を背負うべき大関という地位。しかし、照ノ富士の休場が続いているにもかかわらず、最近の大関という地位での優勝者は今年初場所ぐらいしか見当たらない。
久し振りに三大関となった今場所。東正大関の霧島は先場所負け越して早くもカド番。相撲の巧さはあるものの、小手先だけの相撲で力強さが感じられない。圧力を掛けられない内容の相撲では大関の地位を保てるか不安。
７度目のカド番を迎えた貴景勝は相変わらず安定感に欠ける突き押しだけ。しかも、首の故障以来持ち前の立ち合いの当たりの破壊力が無くなった。これでは対戦相手に翻弄されてバッタリと転がるだけ。良くて勝ち越しが精一杯の状況。
２４歳の若さで新大関の座を射止めた豊昇龍。先場所の勢いでは一気に綱取りかとも思われたが、全く迫力のない相撲内容で早くも５敗。歯車が狂ったのかもしれないが今場所は勝ち越しさえ危うい状況で、巻き返しは期待出来そうにない。
あの「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」がご自宅で食べられる【俺のEC】
期待外れの関脇陣
頼りない大関陣より充実の布陣で期待された関脇の３力士。更に突然覚醒したかのように強くなった３３歳のベテラン錦木も含め、優勝争いを引っ張るかと期待した三役も先頭には立てていない。
今年に入って３場所連続二桁勝利と突き押しの威力が冴え渡っていた東関脇大栄翔。場所前怪我で稽古不足のため前半から苦戦し、早くも４敗。今場所も大関昇進の目は消えたが、再び上を目指す為にも負け越しだけは避けたいところ。
大栄翔と同様に先場所での大関獲りに失敗した西関脇若元春。今場所連敗スタートも３日目から立ち直り６連勝で、上位で唯一優勝争いに残っている。相撲振りも安定してきて、１３勝で優勝すれば大関の可能性はあるが難しいだろう。
三役陣で最も期待した琴ノ若。勝ち相撲は大関級の強さだが、ムラがあって４勝４敗の五分。余計な事を考えずに攻めに徹する事が飛躍の条件。大関獲りを継続させるには二桁は必至だが、今の状態では苦しいか。
優勝の行方は混沌
上位陣が総崩れなだけに優勝争いを予想するのは難しい。一敗の平幕勢も勝ち越せば上位と当たるだけに優勝ラインがどこまで下がるかが問題。ただ、昨今の状況から平幕優勝は十分にあり得る。
過去、何度も涙を飲んできた元大関高安に悲願の賜杯のチャンス到来。今後上位と対戦が組まれても実力的に遜色はないので可能性はある。年齢的に衰えも若干あるが、今場所は勝負所での横からの攻めが効果的。〇度目の正直なるか。
もう一人の一敗力士の熱海富士。怖いもの無しの勢いはあるが上位陣との戦いを乗り切る力はない。２敗の関脇若元春も波に乗ってはいるが、これからの大関、関脇５人を全て退ける力はない。
優勝ラインが１２勝、１１勝まで下がったとしても現在の３敗、４敗力士が残り全て勝ち切るとは思えない。優勝争いは高安と若元春を軸に、大関では霧島に若干の可能性は残る。面白いのは現在２敗で無欲の豪ノ山辺りか。
大相撲秋場所の記事は⤵️⤵️でもお読み頂けます
