いよいよ、東京オリンピック開幕まであと４日。このコロナウイルス禍に開催するべきではないという反対派が過半数を占める中の強行開催。感染拡大を踏まえて無観客開催になって一件落着かのように思われたが、サッカー代表の吉田麻也選手による「有観客開催を再検討して欲しい」という、身勝手な発言。まだまだ揉めそうなオリンピック狂想曲。
身勝手といえば、大相撲の横綱白鵬。横綱の地位に胡座をかいての休出場の繰り返し。横綱にあるまじき振る舞いや物言い。これまでの日本人横綱の由緒あるしきたり、伝統を悪い意味で変えてしまった残念な横綱。その白鵬が６場所連続休場明けで全勝優勝。しかし、その相撲内容や振る舞いには非難轟々。残念な名古屋場所の白鵬を振り返ってみる。
今場所の白鵬の悪行の数々
土曜日の夕方、暑さを凌ごうとビール片手にテレビで大相撲観戦していた私は目を疑ってしまった。白鵬－正代という名古屋場所初めての横綱大関戦。両者が立ったまま睨み合って、最後の立ち合いと思いきや何を思ったか白鵬が一歩下がって徳俵の前で蹲踞。
しばらく、戸惑いの表情で立ち尽くした後蹲踞した正代。お互いに距離を縮めて白鵬の張り手が一発、二発、三発……、最後は浴びせ倒しで白鵬の勝ち。何を考えているんだこの男は……というのが率直な感想。そこまでして勝ちたいのか、横綱としての思慮も品格もない。
そして、それは９年ぶり６度目という長い大相撲の歴史でもめったにみられない、千秋楽全勝対決でも遺憾なく発揮される。立って左手を出して照ノ富士の動きを止めて、顎の下を狙ったエルボー。カッとした照ノ富士が張り手を返した時点で勝負は決していた。
解説の舞の海さんが「そこまでして勝ちたいのか、という意見も出るでしょう」と言う程、横綱としての品格もない薄汚さが残る一番。今場所も張り差しを含め故意に狙った張り手で、相手を傷付ける事も厭わない白鵬。この横綱の繰り出した数十発の張りと悪行だけが印象の残念な場所になった。
本来の横綱の所作しきたり
そもそも、横綱とは全力士の代表であると共に、神の依代である事の証とされている。その地位にふさわしい品格と抜群の技量を要求されるという。これまでの日本人横綱は謙虚な態度で、所作、しきたりにも全力士の模範になるように振る舞ってきた。
特に、名横綱、大横綱と言われる双葉山、大鵬、北の湖……をはじめとする横綱達。勝つだけでなく、相手を受け止めて十分に力を出させて勝つと言われる程で、勝負だけに拘る事なく張り手等で相手を威嚇する事なく、戦ってきた。
然るに白鵬はどうか。相手を受け止めるという気持ちは微塵にも感じなれない。それどころか、立ち合いから先手を取って相手の顔を攻撃しての張り差しや、危険な顎の下を狙ってのエルボー。まるで、横綱一人がプロレスをやっているような状況。
張り手もかち上げも相撲の技で反則ではない、という人もいるだろう。しかし、白鵬のはかち上げではなく悪意のエルボー。また、以前白鵬は「横綱を張るなんて失礼だ」と憤慨していたが、歴代の横綱は自ら張り手する人はほとんどいなかった。しかし、自ら張り手したからには張られて当然。
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大横綱には悲惨なこれから
私自身は相撲道という日本古来の謙虚で相手を敬う精神を、外国人が会得するのは簡単ではないと思っている。日本の国技と言われる大相撲の門戸開放には反対の意見。しかし、古くは高見山、小錦。モンゴル勢でも旭天鵬や鶴竜などの立派な先人達はいる。
また、張り手を使用した横綱としては朝青龍や日馬富士なども挙げられよう。しかし、彼等でもそんなに頻繁に張り手はしなかったし、悪意のエルボー等はしていない。白鵬一人が突出して相手への敬いや気遣いの欠けた、稀代の悪行力士と言われても仕方あるまい。
白鵬は２０１９年に日本国籍を取得。本人は親方になって自分の部屋を持つ意向で、既に内弟子もいると聞く。しかし、これ程の実績なら当然許される『一代年寄』は与えられない模様。立ち合いの汚さ、土俵上でのガッツポーズ等の所作、勝負がついてからのダメ押し……、横綱として相応しくない行為が原因と言われている。
この記事を執筆中に「自分の人生で上位に入る位価値ある優勝だった」という白鵬の記者会見の配信が届いた。期せずして、私のブログの表題とは真逆な内容。何の価値かは知らないが、悪行を改めない限り部屋を持っても成功は覚束ないはず。何故なら、「私が親ならこんな親方に預けても子供の成長には繋がらない」と思うから。
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