琴ノ若の大関昇進で4大関となった大相撲。上位陣のハイレベルな優勝争いを期待したが
初日から横綱と2大関が敗れるまさかの大波乱スタート
昔から言われる荒れる大阪場所はまだ生きていたのか、それとも上位陣が巻き返すのか
初日終えたばかりの大相撲春場所の注目力士と、優勝争いのリポート
大相撲春場所番付
東 西
横綱 照ノ富士
大関 霧島 豊昇龍
大関 貴景勝 琴ノ若
関脇 大栄翔 若元春
小結 阿炎 錦木
前頭筆頭 宇良 朝乃山
前頭2枚目 熱海富士 明生
前頭3枚目 王鵬 隆の勝
前頭4枚目 翔猿 平戸海
前頭5枚目 翠富士 大の里
前頭6枚目 剣翔 豪ノ山
前頭7枚目 金峰山 玉鷲
前頭8枚目 阿武咲 高安
前頭9枚目 北勝富士 琴勝峰
前頭10枚目 正代 御嶽海
前頭11枚目 一山本 佐田の海
前頭12枚目 湘南乃海 島津海
前頭13枚目 竜電 美ノ海
前頭14枚目 錦富士 北の若
前頭15枚目 妙義龍 狼雅
前頭16枚目 遠藤 大奄美
前頭17枚目 尊富士
今場所の注目力士・琴ノ若
何といっても今場所の最大の焦点は新大関琴ノ若の土俵。横綱琴櫻の孫として角界入りと同時に注目を浴びた琴ノ若。しかし、これまでの土俵人生は必ずしも順風満帆とは言えなかった。
注目されたプレッシャーや、怪我などで昇進は遅れ気味。同じ埼玉栄高校出身で大関の貴景勝の一年後輩に当たるが、5年間大関を務める先輩に大幅に遅れた。ただ、琴ノ若は抜群の安定感が売り。この2年間で負け越しは1場所だけ。
189センチ、172キロの体格に加えて柔らかさを兼ね備え、組んでも離れても取れる。どっしりと構えて相手を見据え、その相撲を見ながら対応出来るのが安定感に繋がる所以。
立ち合いからの厳しさが足りないという説もあるが、慌てて墓穴を掘るよりは攻めと守りが自在に発揮出来る今の相撲で良い。一昔前の大横綱を彷彿させる受け身も出来る相撲で、琴櫻として綱を張るのが佐渡ケ嶽部屋待望の夢。
今場所の注目力士・大の里
もう一人の注目力士は幕内2場所目の大の里。こちらも琴ノ若をしのぐ192センチ183キロという堂々たる体格。昨年5月に幕下10枚目格付出でデビューし、全て勝ち越しで幕下、十両を2場所ずつで通過し、まだ6場所目の新鋭。
デビュー時から既に幕内級の実力と高い評価。ただ、幕下、十両で優勝経験がなく持っていない力士なのかなとも思われたが、先場所新入幕での圧倒的な突き押しの破壊力でそんな不安は一気に吹き飛ばした。
琴ノ若同様に離れても組んでも取れるが、持ち味はやはり強烈な突き放し。先場所は優勝争いに絡んで組まれた上位陣に3連敗。しかし、2場所目の今場所は牙城を崩して一気に三役昇進まで狙えるのか、今場所も逸材から目が離せない。
今場所の優勝争い
初日から横綱、大関に土が着いた春場所だが1敗だけで優勝争いに響く事はない。ただ、照ノ富士は先場所こそ優勝したものの稽古も十分とは言えない状況が続き、初日の内容からも今場所は厳しい状況。
新大関で様々な行事に引っ張りだこの琴ノ若。稽古不足が心配されたが、忙しい中でも土俵に降りる事は欠かしていない。その上、場所が近付いてからは連日出稽古にきた力士と対戦して調整に抜かりはなく、新大関場所を優勝で飾るか。
続くのは初日不覚をとったが稽古充実していた霧島。ただ、軽量だけに受ける相撲は取れず、攻めが急になると墓穴を掘る確率が高くなる。豊昇龍も同様で、柔軟性のある足腰は魅力だが、自分より小さい相手に苦戦。その対策が問われる。
平幕が優勝に絡む場所も多いが、幕内上位陣では苦しそう。序盤に星を伸ばせる番付の実力者に注目。規格外の破壊力で圧倒の大の里や、番付を下げた高安、正代、御嶽海の元大関トリオにも要注意。