色々な話題があった今年のスポーツ。海外で数十億円を稼ぐ選手達程の華やかさはないが、日本の国技を守る力士
大相撲の伝統を保ちつつ、スポーツ面で格闘技としての勝負も求められる力士達
レベル低下が囁かられる昨今だが、裏を返せば実力伯仲ともとれる
そんな大相撲の2023年を振り返りつつ、2024年の展望をしてみたい
2023優勝&三賞受賞力士
初場所
優勝 貴景勝 12勝3敗
敢闘賞 琴勝峰
技能賞 霧馬山
春場所
優勝 霧馬山 12勝3敗
敢闘賞 金峰山
技能賞 霧馬山
大栄翔
夏場所
優勝 照ノ富士 14勝1敗
殊勲賞 明生
技能賞 霧馬山
若元春
名古屋場所
優勝 豊昇龍 12勝3敗
殊勲賞 錦木
敢闘賞 琴ノ若
北勝富士
豪ノ山
湘南乃海
伯桜鵬
技能賞 伯桜鵬
秋場所
優勝 貴景勝 11勝4敗
敢闘賞 熱海富士
九州場所
優勝 霧島 13勝2敗
敢闘賞 琴ノ若
熱海富士
一山本
2023大相撲回顧
今年の大相撲は横綱照ノ富士如何という状況だった。横綱が出場すれば優勝争いの先頭に立ってハイレベルな戦い。が、休場した場合は途端に11勝から12勝ぐらいの争いになってしまう。
しかし、その照ノ富士も膝の故障に加えて腰の骨折に悩まされ、出場自体がままならぬ状況。上記のように今年の優勝は夏場所の1回だけ。他の出場も途中休場した翌名古屋場所だけと、横綱の責任を果たせない苦しい状況になっている。
そんな中で、一応の責任を果たしたのが現大関陣。照ノ富士以外の優勝は貴景勝2回、霧島2回、豊昇龍1回。霧島、豊昇龍は関脇で各1回の優勝だが、その後大関に昇進。照ノ富士の不在の中で、平幕優勝を阻止してきた。
ただ、照ノ富士に取って代わるべく横綱に挑戦した貴景勝が2回共失敗。首の故障に悩まされて持ち前の圧倒する当たりが見られなくなったのは残念。代わりに、大関昇進を果たした霧島と豊昇龍が台頭してきた。
更に、横綱、大関陣に次ぐ存在が年間を通して健闘したのは心強い。幕内上位から三役で全て9勝以上で、年間最多勝を争った大栄翔。一年間三役で安定した実力を身に付けた若元春。同じ三役で全て勝ち越した琴ノ若の3人。
その他では、怪我で休場はあったが再び幕内上位に番付を上げてきた朝乃山、高安の元大関コンビ。2度も優勝争いに絡んだ21歳の熱海富士、入幕して3場所連続勝ち越しの豪ノ山。更に、大型力士の金峰山、湘南乃海の活躍も目立った。
2024大相撲予想
さて、混戦模様だった2023年から来年の大相撲はどう変わるのか。照ノ富士は冬巡業を九州場所と同じ【腰椎椎間板性腰痛】で休場。師匠の伊勢ヶ浜親方は初場所での復帰を目指している、というが厳しい場所になりそう。
代わりに主役を狙うのが九州場所優勝で横綱を目指す霧島。冬巡業では豊昇龍と共に溶連菌感染で調整が遅れたが、元々稽古熱心で初場所への調整は抜かりない。安易な変化に頼る事なく、前に出る圧力とスピードで連覇の綱取りなるか。
将来性では霧島以上とみられていた豊昇龍だが、大関昇進後は精彩に欠ける。これといった型がないようで、大関という地位に上がり迷いが生じているのか。体格的には劣るが、瞬発力で前に出る相撲を身に付ければ霧島に対抗出来る存在。
優勝しても好成績が続かない貴景勝。押し相撲特有の波があり安定感に欠ける上に、首の故障で最大の武器とする立ち合いの当たりが見られないのが致命傷。故障完治か、相撲内容を変えなければ大関を守るのも苦労しそう。
横綱、大関以外で最も期待したいのは琴ノ若。ここ3場所11勝が2回と大器覚醒の感。先場所は大事に取り過ぎて迫力に欠けたか。安定感は大事だが恵まれた体を生かして攻めの相撲を完成させるべき。大関どころか来年中の綱取りを。
怪我で足踏みをしたが、大関復帰を目指す朝乃山。同じく大関復帰を狙う高安。番付を上げて勢いが本物かを問われる熱海富士。新入幕濃厚な大器大の里。幕下からの出直しになる伯桜鵬。実力者や若手の活躍からも目が離せない一年か。