昨日4月16日、来年7月24日開幕の東京オリンピックの詳細な競技日程が発表された。
陸上競技のトラック、フィールド計9種目、バスケットボール、ビーチバレーの決勝が午前中に開始される。
すでに決定していた競泳と同様に、巨額の放送権料を支払うアメリカテレビ局の意向が反映された格好になってしまった。
『いったい、どこの国で開かれるオリンピックなんだ』と思ったのは私だけではないだろう。
真夏の時期にわざわざ開催する事といい、調整の難しい午前中の決勝といい、選手の事より商業的な思惑が優先していて、最も優先されなければならない選手ファーストという姿勢が無くなっている。
そもそも、オリンピックはアマチュア選手の大会であったはず。
それが今は世界最高レベルの戦いでなければ金メダルの意味がないという理由から、プロとアマの垣根が取り払われて久しいが、その弊害として日程調整等の関係でわざわざ真夏の開催を余儀なくされている。
1964年に開かれた東京オリンピックは選手にとっても観客にとっても日本でベストな開催時期を選んでいる。
現代の最先端気象情報には敵うべくもないが、過去の統計等から10月10日が最も晴天の確率が高いという理由から開会式に決定したと聞く。
更に、1964年の東京オリンピック公式報告書【会期の決定】の項にこんな記述がある。
『盛夏の時期は、比較的長期にわたって晴天が期待出来るが、気温、湿度ともに極めて高く、選手にとって最も条件が悪いうえに、多数の観客を入れる室内競技場のことを考えると、最も不適当という結論に達した』
(「第18回オリンピック競技大会公式報告書」より)
今から半世紀以上前に、既に選手ファーストの視線から真夏の開催を『選手にとって最も条件が悪い』『多数の観衆を入れる……、最も不適当』と、強く否定している。
そこまで、選手と観客の身になって開催していた事を考えると、今や商業面を最優先にしたオリンピック開催の意義が有るのかと思ってしまう。
時代の流れと言えばそれまでだが、巨額の金が絡んだビジネスとなってしまったオリンピック。
東京開催だけは選手ファーストを最優先にして欲しかったが、巨額の放送権料を盾にしたアメリカテレビ局の言いなりになってしまったのは情けない。
ともあれ、後1年3ヶ月に迫ってしまった東京オリンピック。
さすがに前回のリオデジャネイロオリンピックのような、直前まで開催出来るのかというゴタゴタは無いだろうが、コロコロと内閣改造の度に代わるオリンピック担当相。
東北復興五輪と謳いながら失言を繰り返す閣僚……、これ以上日本の恥をさらす事の無いようにして、日本中いや世界中に熱狂と感動を与えられるオリンピックにして欲しい。
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