卓球界の人気者、平野美宇が3月5日高校を卒業した。
これから東京オリンピックまでの一年に全てをかけて代表を勝ち取る決意を新たにした。
東京オリンピックの団体戦の代表は3人、シングルスは2人となっているが、シングルスの2人は2020年1月の世界ランキングの上位から選ばれる事が決まっている。
最新の世界ランキングでは石川佳純が4位、伊藤美誠が7位、平野美宇9位となっていて、団体戦はともかくシングルスの代表はまだまだ予断を許さない状況になっている。
ただ、卓球の世界ランキングは原則として今年1年間の成績が反映される。
この1年が勝負の年になるが、最も重要なのは4月の世界選手権個人戦。優勝者には国際大会最高の3000ポイントが加算されるので一気に優位に立てる。
女子の場合は石川、伊藤、平野の3人が有力だが、20位以内に6人がひしめき合っている状況なので、世界選手権を始めとする国際大会の活躍如何では大逆転もあり得るので、上位の3人も気は抜けない1年が続く。
平野は今更説明するまでもなく、幼少時から母が指導する「平野英才教育研究センター卓球研究部(平野卓研)」で腕を磨き、その愛くるしい顔立ちや、負けそうになると泣いて悔しがったので、「第2の愛ちゃん」と呼ばれて有名になっていた
実績の方も数々の最年少記録を打ち立て福原愛の記録を次々に塗り替えてきた。
一躍有名になったのは伊藤との女子ダブルスで、数々の最年少記録を塗り替え、2014年3月ドイツオープン優勝の際は2人の合計年齢27歳145日がギネス世界記録に認定され、「みうみま」と呼ばれて一大ブームを巻き起こした。
しかし、2015年9月のランキングは17位に終わり、石川、福原、伊藤に次ぐ4位だったのでリオオリンピックでは団体戦にも選出されずリザーブに回った。
しかし、その悔しさを糧に2016年全日本選手権シングルスで石川に敗れたものの、史上最年少決勝進出を果たした。
更にワールドカップで最年少優勝を果たす等活躍を続け、2017年全日本選手権シングルスで石川の4連覇を阻止して史上最年少優勝を記録した。
その後も勢いは止まらず、アジア選手権シングルスで中国の世界ランキング1位、2位等を倒して21年ぶりの日本人優勝を最年少で果たした。
そして、世界選手権シングルスでは48年ぶりの銅メダル獲得で、世界ランキングで日本人トップに上り詰めた。
しかし、2018年から平野自身がスランプ気味になり、その間隙をついて伊藤が日本選手権2連覇。石川も安定した成績で上記のように平野は三番手に甘んじる事になる。
しかし、全てはこれからの一年で決まる。ポイントが高い国際大会では平野、伊藤の活躍が期待される反面、石川は日本人同士では安定した成績を残している。
平野、伊藤が東京オリンピックシングルス切符を掴み取るには、得意としている国際大会で大きくポイントを稼げるか否かにかかっている。
高校卒業を機に決意を新たにした平野のこれからの勝負の一年を期待しながら注目していきたい。