全豪オープン4試合で3試合をフルセット戦い、地元の記者にマラソンマンの異名を付けられて注目され、4回戦で奇跡の大逆転勝利の末準々決勝に進出した錦織圭。
全豪オープン初のベスト4をかけた相手は世界ランキング1位で今大会第1シードのN.ジョコビッチ(セルビア)。
過去2勝15敗、現在14連敗中という天敵中の天敵。この相手に対しては特に万全のコンディションで戦いたかったが、一昨日の4回戦でP.カレノブスタ(スペイン)で今大会最長の5時間6分の熱戦によるスタミナ、コンディションが心配されていました。
昨日は予定されていたコートでの練習をキャンセルしてコンディション回復に努めていました。
そして、今日日本時間午後5時30分過ぎから行われたジョコビッチ戦。
第1ゲーム
第1セット、ジョコビッチのサービスから始まりましたが、簡単にキープ。
第2ゲーム、錦織のサービス。今日の錦織は連戦の疲れを感じさせずに早い展開でなく、じっくり打ち合って消耗戦も辞さない構えに見えました。
しかし、ネットにボールが引っかかる場面が目立って、早くもブレイクされてしまいました。
第3ゲーム、ジョコビッチが無難にキープ。
第4ゲーム、錦織のサーブが良く、デュースに持ち込まれましたがキープに成功して1ー3。
第5ゲーム、珍しくジョコビッチにミスが見られ錦織がデュースに持ち込みましたが、凌がれてキープされてしまいました。
第6ゲーム、錦織が右太股を気にするようになり、ブレイクを許してしまう。
第7ゲーム、ジョコビッチがラブで簡単にキープ。
第1セットが終わると同時に錦織はメディカルタイムアウトを要求して、右太股の治療を受けました。
マッサージを受け、右太股に黒いテーピングを施してゲームに復帰。
第2ゲーム
第1セット、錦織はやはり右太股が気になるのか動きが十分ではなかったが、サービスキープ。
第2セット、ジョコビッチがラブでキープ。
第3セット、錦織は太股の故障からショットを思うようにコントロールできずに、ラブでブレイクを許してしまう。
第4セット、ここも簡単にラブでキープを許して3セット連続をラブで失い、連続12ポイントを奪われる屈辱的なゲームになりました。
第5セット、それでも錦織は意地を見せてキープポイントを握りましたが、デュースに持ち込まれて結局ブレイクをされてしまいました。
ここで、錦織は途中棄権を申し出て敗退しまいました。
結局、錦織圭の全豪オープンテニスはベスト8で終わり、自身初の準決勝進出はなりませんでした。
今大会、私からは錦織の調子がそれほど良く映りませんでした。
昨年からレベルアップに努めたサーブは確かに得点源になり得ていましたが、持ち味のショットのミスが多くてポイントを奪い切れずに苦しんでいました。
それがマラソンマンと言われる長時間ゲームになって体に負担がかかり、この故障につながった事は否めません。
これで、対ジョコビッチ戦は何と15連敗と屈辱的な差になってしまいました。
試合後のインタビューで錦織は、ジョコビッチとはいつも一番キツい時に対戦する……、と言っていましたが強豪同士なのだからそれは仕方ない事で、四大オープンのような長丁場では如何にスタミナロスを防ぐ戦い方をするかも考える必要があります。
今大会の苦い経験を糧にして、今度こそ打倒ジョコビッチを果たしてくれる事を期待します。