錦織圭が勝てない。
今年緒戦のブリスベン国際で幸先良く優勝して今年こそは四大大会初制覇と期待を抱かせたが、全豪オープンでは天敵N.ジョコビッチに準々決勝で敗れ屈辱の15連敗を喫してベスト8止まり。
それでも、全豪オープンは粘り強いテニスを見せて地元でマラソンマンと言われて注目を浴びていたが、その後の2大会は錦織らしさが見られない試合が続いている。
それでも、ABMアムロ世界テニス・トーナメントでは準決勝に進んだが、既にランキング下位になっているS.ワウリンカに1ー2で惜しくも敗れベスト4で終える。
そして、今大会のDuty Free ドバイ・テニス選手権では2回戦でH.ホルカシュに1ー2で敗れ、早くも姿を消した。
いずれも、錦織より上位のランキング選手は出場しておらず第一シードで、世界ランキング6位の錦織にとっては格下の選手が相手なだけに深刻な状況といえる。
錦織の長所はストロークに持ち込み、切れの良いショットで相手を圧倒するスタイルにあるが、昨年からサーブの改良に取り組み、サーブで優位に立つ試合が見られていたが、この2大会はそのサーブが威力を発揮していない。
ある程度サーブで優位に立たないと、ストロークが長引いてスタミナロスにつながり、たとえ勝ち進んでも体力を消耗して上位者との大事な一戦の時は疲弊してしまって勝ち進む事が難しくなる。
思えば、2014年全米オープン準決勝でジョコビッチを敗り、四大大会でアジア勢初の決勝進出を決めた時には当時24歳の若さの勢いで一気に頂点に立つかと思われた。
しかも、決勝戦の相手は第14シードのM.チリッチだけにジョコビッチに快勝した錦織の優勝と思われたが、まさかのストレート負けを喫して四大大会制覇はならなかった。
勝負事にタラレバは禁句だが、あの時全米オープンを制覇していればその後の錦織の選手人生も変わっていたのかもしれかない。
その後の4年間、錦織には四大大会優勝のチャンスさえ巡ってくる事もなかった。
その当時から錦織の前に立ちはだかっていた、ジョコビッチ、A.マリー、R.ナダル、R.フェデラー等は既に30歳を超えているが、年齢的に20代後半で選手生活の中で全盛期を迎えているはずの錦織は彼等を未だに超える事が出来ない。
そればかりか、最近は錦織より若い20代前半の選手が台頭してきていて、このままでは錦織に四大大会優勝の栄誉は回って来ないのではないかと危惧する。
テニス界では大坂なおみの件でクローズアップされているが、その時の選手のスキルによって頻繁にコーチを代えるのが常識になっている。
マイケル・チャンを始めとする現在のコーチによって錦織は今の地位を獲得したのは間違いない。が、更なるスキルアップの為にはサーブを強化出来るコーチを求めても良いのではと思う。