中国で初めての冬季オリンピックとなる2022年北京冬季オリンピックが始まった。人権問題などで世界からバッシングを浴びて、欧米諸国などから『外交ボイコット』されるなど混迷の中の開幕。開会式は2月4日だが、競技は2日から始まって91カ国・地域から約2900人が参加。史上最強クラスの124人を送り込んだ日本選手のトピック等をお届けします。
2月5日
銅 フリースタイルスキー男子モーグル 堀島行真
2月6日
金 スキージャンプ男子ノーマルヒル 小林陵侑
2月6日現在 金1銅1
有言実行のメダル獲得・堀島行真
生後1年でスキーを始めて小学4年でモーグルに本格的に取り組んだ堀島行真。高校3年でW杯開幕戦でデビューし、いきなり3位。2017年世界選手権でシングルとデュアルのモーグル2種目優勝という男子では世界初の快挙達成。日本人としては2009年上村愛子となる2冠で、20歳で一躍世界に名を成さしめた。
しかし、世界選手権覇者として臨んだ平昌五輪では完璧を追い求め過ぎて自滅、転倒して11位に沈む。昨季のW杯も開幕戦に優勝したものの、それ以降は高難度のエア構成に拘って自滅。今季は「失敗しない技を選んでやっていく」と方針変更。完璧さへの執着から、勝つ為の妥協を覚えて成長。第1エアの着地でバランスを崩しながらも巻き返して、『有言実行』のメダル獲得を成し遂げた。
進化の証の五輪制覇・小林陵侑
W杯メンバーに選出されてはいるものの、殆んど名を知られていなかった小林陵侑が少し注目を浴びたのは平昌五輪ノーマルヒルで7位入賞した時。一躍、脚光を浴びたのは2018ー19シーズン。いきなり、このシーズンW杯13勝と大ブレイクして総合優勝。しかし、コロナウイルス禍などの影響で大会欠場などもあって、その後の2シーズンはW杯総合3位、4位に終わっている。
今季は開幕戦から2位、優勝と好スタートを切ったが、コロナウイルス陽性が判明。復帰後はジャンプ週間総合優勝などW杯7勝を挙げて復調。助走からスピードを殺さずに飛び出せる技術は世界一と言われる小林。一時は日本のエースとしての重圧で不振に陥った事もある。しかし、精神的に一回り大きくなった今年は無類の安定感を発揮し、笠谷幸生、船木和喜に次ぐ3人目の栄誉を手にした。
トピック(高梨沙羅)
また届かなかった……。2011ー12シーズンにW杯初優勝以来11シーズン連続優勝を果たして、男子を通じて最多の61勝を誇る高梨沙羅。しかし、不思議に五輪、世界選手権での個人での金メダルはない。大一番に弱いという声も聞かれるが、勝負弱くて61回も勝てるはずがない。ただ、女子のレベルもアップして無双を誇った時とは違い、ここ2年はW杯総合も3位、2位となっている。
前回の平昌でオリンピック初のメダルとなる銅を獲得。その後、152センチの高梨が体格に勝る外国勢と戦う為に、長年の技術を捨てて全てを作り変えたという。ジャンプは風による運、不運もあるが、一本目で5位と金を狙うには厳しいスタート。2本目100メートルの大ジャンプを見せたが、メダルに届かず4位。「もう私の出る幕ではないのかも……」と意味深な言葉を残した高梨。今夜、その想いを断ち切って混合団体へと飛んで行く。
今日、明日の見所
第4日(7日)はフィギュア団体、スピードスケート女子1500メートルの高木美帆、ジャンプ混合団体などの楽しみな種目が組まれている。今大会5種目に参戦する高木が最も得意とする種目で金獲得なるか。また、ジャンプ混合団体では小林陵侑と高梨沙羅の両エースでメダルを狙う。今後の動向が気になる高梨が全てを振り払っての会心ジャンプに期待したい。
なお、午前中の競技でフィギュア団体は日本初の銅メダル獲得。
第5日(8日)は、羽生結弦が三連覇を目指すフィギュア男子ショートプログラム、アイスホッケー女子日本ーチェコ、スノーボード女子パラレル大回転などが行われる。なんといっても注目はフィギュア男子。羽生の他に団体で銅メダル獲得に貢献した宇野昌磨、鍵山優真も好調で複数メダルが期待されるだけに、好スタートを切って欲しい。
北京オリンピックについては⤵️⤵️の記事もお読みして下さい